胃ろうとは? メリット ・ デメリット、カテーテルの種類について
胃ろうは、食事を摂取することが困難な患者さんに、直接胃に栄養を供給するための医療的手段です。具体的には、胃と皮膚の間にチューブを挿入し、そのチューブを通して栄養や水分を胃に送り込みます。
胃ろうの必要性
食事は私たちの生活の中で基本的な行為の一つです。しかし、事故や病気、加齢などの理由で口から食事を摂取することが難しくなった時、胃ろうはその人の生命を維持する大きな役割を果たします。例えば、嚥下障害や意識障害、消化不良などがある場合、胃ろうは適切な栄養補給の方法として使用されます。
胃ろうのメリット
胃ろうにはいくつかのメリットがあります。
安全性:口からの摂取が困難な場合、誤嚥を起こすリスクが高まります。しかし、胃ろうを用いれば直接胃に栄養を供給するので、そのリスクを大きく減少させることができます。
適切な栄養補給:胃ろうを通して、必要な栄養分をきちんと補給することができます。これにより、患者さんの体調管理がより容易になります。
胃ろうのデメリットと克服
胃ろうにはデメリットや課題もあります。外部からチューブが体内に入っているため、感染のリスクや、皮膚のトラブルなどが考えられます。また、胃ろうの存在が心理的なストレスになることもあります。
だからこそ、医療者は患者さんのケアにおいて、不安や疑問をしっかりと解消することが大切です。また、近年は技術の進歩により、より体に優しく、使用感の良い胃ろうも開発されてきました。
胃ろうのカテーテルの種類
胃ろうのカテーテルにはいくつかの主要な種類があります。その選択は、挿入の目的、期間、患者の状態などに応じて決定されます。
経皮的内視鏡的胃造設術 (PEG:Percutaneous Endoscopic Gastrostomy) カテーテル
このカテーテルは、内視鏡を使用して胃の位置を確認しながら、皮膚から直接胃にアクセスして挿入されます。
長期間の栄養補給や薬物の投与に適しています。
PEGは一般的には手術室や内視鏡室で行われます。
経皮的放射線ガイド下胃造設術 (PRG:Percutaneous Radiologic Gastrostomy) カテーテル
放射線技師の監視下で、X線を使用して胃の位置を確認しながら挿入されます。
内視鏡が使用できない場合などに選択されることが多い。
鼻胃管 (Naso-Gastric Tube, NG Tube)
鼻から胃へと挿入されるチューブ。
一時的な栄養補給や薬の投与、胃内容物の吸引など、短期間の使用を目的としています。
ボタン式胃ろう (Gastrostomy Button)
これは低プロフィールのデバイスで、長期的な使用に向いています。
外部の突出が少ないため、洋服の下で目立たない、また、活動的な生活を送る患者に特に適しています。
ジェジュノスミーカテーテル (Jejunostomy Tube)
胃ではなく、小腸へと直接栄養を供給するためのカテーテル。
胃の動きが乏しい場合や、胃の手術後など、胃を経由しての栄養供給が困難な場合に使用されます。
これらのカテーテルは、患者の必要に応じて適切に選択されます。挿入方法、ケア方法、使用する際の注意点など、それぞれのカテーテルに特有の特徴がありますので、医療専門家とよく相談しながら選択することが大切です。