LD(学習障害)の特徴や対策、日常生活で出てくる困りごとについて 【発達障害を知ろう】
発達障害の中で「ADHD」や「ASD」という言葉は聞いたことがあるけれど、「LD」は聞いたことがないという人もいますよね。
ここでは、LDの特徴や、日常生活での困りごとについて、お伝えしていきます。
LDの特徴
LDとは「学習障害」のことです。
学習障害とは
読み(読字障害)
書き(書字障害)
計算(算数障害)
話す
聞く
の領域において障害があることを意味します。
LDの特性は、知的な発達の遅れはないのに、特定の領域に「学びにくさ」「つまづきやすさ」が見られるというのが特徴です。
例を挙げると
話すことはできるけれど教科書を読めない
授業や会議の内容は理解できるけれど、黒板の文字をノートに書き写せない
ということが挙げられます。
LDは気づかれにくい?
LDはADHDやASD等、他の発達障害と併発していることが多く、気づかれにくいです。純粋なLDであれば、本人が「読み書きができないと、将来苦労するだろう」と想像し、自分流のやり方で習得することができます。
しかし、他の発達障害を併発している場合、他の困りごと(物忘れが多い、こだわりが強い)が目立ってしまう為、LDの困りごとが見えづらくなってしまうのです。
LDでの日常生活の困りごと
ここでは、LDを持つことで起こりうる日常生活の困りごとの例について、3つお伝えしていきますね。
1,メニューが読めない
例えば、レストランなどで食事をしたいと思っても、読字障害のある人はメニューの文字が理解できていないことが多く、適当な物を頼んだり、友人と同じ物を頼んだりしてごまかしがちです。
2,メモが取れない
書字障害のある人の場合、文字を書くのが苦手なので、メモが取れないことが多いです。
その為職場でメモを取っていないと「覚える気がないのか」と周囲から悪い印象を受けがちです。
3,金銭管理が難しい
算数障害の場合、日常の金銭管理が難しいことが多いです。
例を挙げると
スーパーなどで、合計金額を計算することが難しく、予想より合計金額が多くなってしまう
家計簿をつけることが苦手なので、出費が多く赤字になってしまうということがありがちです。
LDの特性は、日々のちょっとしたことで軽減できる
LDは、他の発達障害と比べて「これが苦手」というのが比較的分かりやすい障害です。なので、道具や周囲の人達の協力など、ちょっとした工夫で軽減することができます。
ここでは、「読字障害」「書字障害」「算数障害」に対する対処法についてお伝えしていきます。
読字障害を持つ人への対処法
読字障害を持つ人は「読み上げ式アプリ」を活用しましょう。このアプリは、文章をテキストなどで入力すると、読み上げてくれるものです。多くは無料で使えるので、スマホでも手軽に使うことができますよ。
また「周囲の人に、読んでもらう」という方法もあります。例えば、レストランでメニューの文字が読めないときは、相手に読んでもらいましょう。読字障害のある人は、理解力はあるので、メニューの文字がどんな料理なのかを理解できれば、自分の好きな物を頼むことができますよ。
書字障害を持つ人への対処法
これも「音声入力アプリ」で軽減することができます。自分が話したことを、テキストとしてそのまま文章に文字起こしをしてくれるという機能です。書類作成などに使うことができますよ。
ただし使うときは、周囲の状況を把握してから使いましょう。特に外で使う場合、独り言を喋っていると変な目で見られがちです。
予め「自分は文字を書くのが苦手なので、この機能を使わせて頂けると助かります」と、伝えておきましょう。
計算障害を持つ人への対処法
計算障害のある人は、家計簿をつけるのが苦手な人が多いです。そんな人には「封筒に分けて管理する」という方法がおすすめです。
給料が振り込まれたら、家賃や光熱費などの固定費を除いた1ヶ月分の生活費を下ろしましょう。そして、下ろしたお金を1週間ずつ封筒に分けて管理すると、残高が目に見えるので「今週いくら位残っているのか」を把握しやすいです。
封筒はATMの横にあるものを貰っていっても良いですが、もし封筒がなかった場合は、100円ショップなどで売っている、透明なA5サイズのケースを使うという方法もあります。封筒に比べて丈夫ですし、透明なのでより視覚化しやすいですよ。
まとめ
いかがでしょうか。この記事では、下記のことについてお伝えしてきました。
LDとは「学習障害」のことを指し、読み書きや計算が著しく苦手な障害である
日常生活の困りごととしては「メニューなどの文字が読めない」「書類作成ができない」「日々の金銭管理ができない」といったことが挙げられる
アプリや周囲の人の協力で、困りごとを軽減することができる
LDは、他の発達障害に比べて分かりにくく、また周囲からも「学生時代勉強をサボってきたからではないか」と、周囲からの理解が得られにくい障害でもあります。
自分がLDではないかと思ったら、病院へ受診したり、同じ特性を持っている人達のコミュニティへ参加したりし、自分なりの解決方法を見つけてみましょう。