北斎は転職して浮世絵師になったという話
北斎が75歳の時に執筆した『富嶽百景』初編の跋文には、「己六才より物の形状を写の癖ありて」とあります。北斎自身が、6歳の頃から物の形を写生する癖があったと語っているのです。物心がついた頃から、絵を描くことが大好きだったのでしょう。
しかしながら、北斎ははじめから浮世絵師を目指していたかというと、そうではありません。実は、浮世絵師を志す前、版木に文字や絵を彫る「彫師」の仕事をしていたのです。
このことは、北斎とタッグを組んで読本を制作していた曲亭馬琴も記しています。こちらは