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働く鬼

戸張 禮子 作 210×297mm
“Ogre at Work” by Reiko Tobari

 作者が書いたコメントがありますのでご紹介します。「奈良に行った時、五重塔の梁をささえる鬼に会いました。仏様に仕える鬼で、顔がごついのにどこかユーモラスで真面目に仕事をしている姿に惹かれました。」
 鬼瓦や仏像の台座など、様々なところで私たちは鬼がそれらを支えている姿を見るでしょう。鬼は通常悪役ではありますが、時には人のために働いたり、さらに悪いものから私たちを守ってくれるものでもあります。
 戸張さんの描いたこの鬼は、柱をささえて踏ん張る姿に愛嬌があって、見る側もつい頬を緩めてしまいます。背景の五重の塔やお月さまなどを童画のように描いているのも、この鬼にぴったり。絵本の1ページであるかのような、物語性も感じさせてくれます。
 こんな鬼だったら、実物に会ってみたいですね。

(「鬼の伝説」出展作品 2023.5.19~5.27 於:剪画アート&スペース http://bit.ly/hc8WTq)

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