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青枢選抜展と剪画作品と

 本日東京芸術劇場のアトリエで5日から開催されていた「青枢選抜2023」展が終了しました。ここに展示させていただいた作品「中有II」は、同時期に開催されていた剪画アート&スペースに展示していたものと色違いで制作したものです。ほぼ同時期に同じ図柄の作品を展示したのは今回が初めてになります。
 「中有」は死後に人の魂が漂う場所で、魂は来世に行くまでの49日の間ここに留まると言われています。この世でもあの世でもない中間の場所、チベットではバルドと呼ばれている空間です。
 「ふわふわ」展で展示したのは黄土色に近い茶系統の混色の和紙をベースに、濃紺で植物を配置したもの。全体に少し暗い感じなので、中心に浮かぶ魂は明るい青と紫で表現しました。一方「青枢選抜展」に搬入した作品は、グレーとオレンジ色の混色をベースに青みがかった黒を乗せています。宙に浮く魂は少し軽い色彩にしたかったので、黄色がかった色を使いました。
 色が違うとそこに漂う雰囲気が変わります。架空の場所を描く時は、ことさらその変化を楽しむことができますね。

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