「人混みで人をよけることが出来ません」を伝えるために、ヘルプマークを取得したひろみちお兄さん
「脊髄梗塞」をある日突然発症し、下半身麻痺になり歩けなくなってしまったひろみちお兄さんのニュースは当時かなりショッキングでした。あんなにも元気で健康そうな方が…と。
その直後に母が脊椎の手術をして下肢麻痺になり、病院でリハビリをやってはいたものの「車イス生活」は免れない状況かもしれないと覚悟をしつつあったタイミングと重なりました。
ひろみちお兄さんも最初は自分に起きた出来事を受け入れられず、絶望して”死”すら考えたこともあったそうですね。そこから厳しいリハビリを続けた結果、下半身麻痺やしびれは残っているものの、歩くことができるまでに回復という奇跡が起きた…まるで身内のことのように私も喜びました。
「脊髄梗塞」は完治することはないそうなので、これからもずっとトレーニングを継続しなければならないそうです。でもひろみちお兄さんの強い精神力があれば、どんな困難も乗り越えていけそうな気がしています。
ただ今日のひろみちお兄さんのヘルプマーク取得の記事を読んだときに、胸が痛くなりました。その理由があまりにも悲しかったからです。
駅の改札に向かっているときに、本を読みながら向こうから歩いてきた中学生とぶつかって大腿骨頸部骨折をしてしまった母。その後の脊椎骨折の原因も、実はその中学生とぶつかったことから始まっていたのかもしれません。いつ折れたのかが医師でも分からないということなので、これはあくまでも仮説に過ぎませんが…。
実は今、弁護士が損害保険会社と今回の件での慰謝料の交渉をしてくれています。相手方は「7対3」だと、母にも非があったのではないかと主張しているそうです。こちらからすれば、あり得ない話です。
80過ぎた年寄りが機敏な動きで直進してくる中学生をよけられるならば、そもそもあんな接触事故は起きなかったと思います。相手の中学生は自分の非を認めているし、これが仮に年寄り相手ではなかったとしても、何かに集中して前を見ないでガンガン歩いてくる人をよけるということがどれだけ困難なことかは皆さんもよくお分かりになるかと思います。
私は今日仕事場に来るまでに、駅で3,4回は人と接触しました。一度は階段を下りているときだったので、かなりヒヤヒヤしました。何秒早くホームに着いたからといって何も変わらないのに、人とぶつかってまでなぜそんなに急がなければならないんでしょう…。
田町の”ぶつかりおじさん”のニュースも最近ありましたが、わざとぶつかってきた上に殴るという暴挙。まったく理解できません。混雑は仕方ないにせよ、お互いにちょっとした気遣いを持つだけで状況は少しは変わると信じたいです。
とはいう私自身も、たとえば街中でこんなにも杖をついて歩いている人がたくさんいるんだということを意識したのは、正直母の一件があってからなのかもしれません。それまでは、それほど目につかなかったような気がしています。意識し出すと、あそこにも、ここにも…何かしらの理由で足の不自由な方たちも多くいらっしゃって、最近の東京の混雑ぶりはどれだけ歩きづらいだろうと感じます。
ひろみちお兄さんの言う通りどういう援助が必要なのかは人によってケースバイケースだと思いますが、ヘルプマークをつけている人への意識もこれまで以上にしていきたいと思っています。
他人へのほんの少しの優しさを持ち合えば、世の中お互いにもっと気持ちよく過ごせるように変わっていくと思うんですよね。駅を歩く、街中を歩く…日常生活での当たり前の行動の際に、きちんと周りに目を向けていける人間でありたいと改めてそう感じます。
そして心からの叫びとしては、歩きスマホは絶対にやめましょう!自分が事故の加害者になってしまう可能性もありますから…。