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ドラマ「オールドルーキー」にみるプロスポーツ選手にとっての戦力外通告
ドラマ「オールドルーキー」を観ていますが、改めてプロスポーツ選手にとっての戦力外通告の残酷さを痛感しています。
プロスポーツ選手になれるのはほんの一握りのエリートたちなわけで、子供の頃からそのスポーツを続けてきて、その結果プロという華々しい世界で活躍することができたという誇りは何にも代えがたいものだと思います。
例えばキングカズのように、50歳過ぎても現役でいられるという稀有な例もありますが、ほとんどのプロ選手たちはある程度の年齢で現役引退という時期を迎えることになるわけで、そこからのセカンドキャリアをどうしていくか?は誰もがぶち当たる壁であることは間違いないと思われ。
「オールドルーキー」主人公の新町亮太郎もある日突然所属していたクラブチームが解散し、移籍先が見つからずに現役引退を余儀なくされるというところからスタート。自らの体力の限界、ケガなどの理由で自分自身に納得いく形の引退もあれば、戦力外通告によっての引退もあり・・・。
明日からの自分の進むべき道が閉ざされてしまった選手たちの気持ちを思うと、想像もできないほどの辛さだと思います。
先日某番組でプロ野球選手だった里崎氏がおっしゃっていましたが、プロ野球選手は平均でたった9年ほどの選手寿命らしいです。正直あまりの短さに驚きました。圧倒的にセカンドキャリアの方が長い。
前回の「オールドルーキー」。現役復帰を諦めきれない新町が加入テストを受けさせてもらえることになり、結果はある意味分かり切っていた不合格。そこで奥さんが手作り感満載の引退試合をセッティングしてくれて、そこでプレーしたことで完全にサッカーへの未練を断ち切ることができたというストーリーでした。
泣きました。綾野剛の泣き笑いの表情に新町の気持ち全てが投影されていて。ケジメをつけさせてくれた奥さん、子供たち、会社の人たち、仲間たち。周りの人たちの優しさが心に沁みた回でした。
実際、セカンドキャリアを支えていく家族たちの気持ちの切り替えも必要だし、輝いていた自分が新町のように裏方に回って選手をサポートしていくような場合、完全に未練を断ち切らないと仕事としてやっていくのは無理だと私も感じます。スポーツマネージメントという仕事は、元プロスポーツ選手がやっていくには相当の覚悟が必要だと思います。
ドラマはこれから「ビクトリー」で新町が踏ん張って正社員になっていくような過程が描かれていくのか?と想像しますが、全てのプロスポーツ選手たちのセカンドキャリアが、明るく輝かしいものであることを願わずにはいられません。