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絵本作家・鈴木のりたけ氏の座右の銘「おもしろがると世界が広がる」に心ときめいた『情熱大陸』

日々の生活の中で、どうしても「不満なこと」ばかりに目が行きがちな私。なるべく愚痴は言わないようにと心がけていても、ついついグチグチ吐き出さずにはいられないのが常という情けなさ…。

そんな私の考え方を変えてくれそうな人物に昨日出逢えたような気がします。

それが『情熱大陸』に出演していた絵本作家・鈴木のりたけ氏。

座右の銘は「おもしろがると世界が広がる」!絵本のネタは日常生活の中に。〈こんなに面白い時間が、もっとよく見つめれば至るところに転がってるじゃんって分かって…〉これこそが彼の「日常の“面白い“を描き出す極意」。

今年上半期、もっとも売れた40万部の大ヒット作絵本『大ピンチずかん』。この作者が鈴木氏です。たまたま何かの番組で紹介されていて、この絵本のことは私も知っていました。

日常生活で起こる様々なピンチをユーモラスに描いた絵本で、これは鈴木氏の何に対しても“遊び心“を大切に「愉しむ」という精神から生まれるべくして生まれた傑作だということがよく分かりました。

でもそんな鈴木氏も30過ぎまでは悩み深き人生を歩んでいたそうなんです。

「偏差値が高いところとか、人気がありそうで就職に有利だとか…という価値基準ですべて選んできた」

という鈴木氏は、一橋大学から鉄道会社に就職。ここまではエリート街道まっしぐら。ところが組織の一員になることになじめず2年足らずで退職。

その後会社員としてグラフィック・デザインの仕事に就いたものの、居心地の悪さは変わらず悶々とした日々は続き「自分の天職とは一体何なのか?」その答えをずっと探し求めていたそうです。

彼の運命を変えたのは試しに書いてみた『ケチャップマン』という絵本(2008年)。その絵本は当時の自分を投影したものでした。

〈じぶんにしか できない
 なにかを さがして
 まいにち なやむ ケチャップマン〉

『ケチャップマン』より

この作品が賞をとって、絵本作家デビューに繋がったわけですね。絵のタッチも暗くて、鬱屈とした感じのイメージ。でもそれが編集者の目に留まったわけですから、人生やっぱりどこにチャンスが転がっているか分からないものですよね。

時間があれば日本全国の子供たちに会いに行き、素敵な講演会を開いています。

〈真剣に面白がろうとすると、エネルギーも必要だし工夫も必要です。頭も脳ミソも使わないと世界は面白くならないんじゃないかと!〉

“遊び心“があれば子供は応じてくれるということを知っている鈴木氏ならではの名言だと思います。

ずっと笑顔で楽しそうに仕事をしていた鈴木氏が、今回番組内で唯一悩む姿を見せたのが「しごとへの道2」で取り上げる「地域おこし協力隊」の仕事をどう描くか?という時でした。

「しごとへの道」シリーズはさまざまな職業に携わる人たちを取材して、現在の仕事にたどり着くまでの人生をノンフィクションで描いた作品です。

「地域おこし協力隊」は町を盛り上げるのが仕事であり、その仕事の内容をどう表現すればいいのか鈴木氏は考えあぐねていました。

編集者から「地域おこし協力隊」の仕事場は町全体。この町ならではの地図を作ったらどうか?と提案され、これまでにないアプローチに悩み、いつもの“遊び心“がなかなか芽生えてこない様子でした。

ところが、町の中に宇宙人のようなキャラクターや忍者を描き出したとたん、いつもの表情にみるみる変化し「愉しむ」心が復活。″心踊る地図″は無事に完成したのでした!

何気ない日常生活の中で“生きたネタ“は我が子が教えてくれるというのも鈴木氏の強みかもしれません。

子供たちとケーキを一緒に食べようとした時、そのケーキが倒れそうになる…ただそれだけのことでも子供たちにとってはピンチ!こうして「大ピンチずかん」続編のネタが見つかっていくわけです。このネタ探しこそ鈴木氏にとっての至福の時間のようで、本当に楽しそうな屈託のない笑顔を見せていました。

〈絵本ってもっと自由に″おもちゃみたいに使えるもの″って良さもある〉

という言葉も非常に印象的で、絵本の世界も無限大なんだと感じました。

最後にどんな作品をこれから作っていきたいか?という質問に、

「生まれる以前から人間のDNAに刷り込まれている“すげぇっ!“って感情で勝負したい!“すげぇ“ものを作りたい!」

鈴木氏のストレートな答えが“らしさ“満載で、私は思わずクスッと笑ってしまいました。

こうしてnoteを書きながら、毎日のネタ探しに悩むことも多々あります。でも、何でもない日常の中にそのヒントはたくさん散りばめられていて、それを“おもしろがる“気持ちが書くことにも繋がるし、毎日をより楽しいものにしてくれるのだと学ばせてもらった気がします。

「日常の“面白い“」を探す精神で、もっと「愉しむ」ことをモットーに私も生きてみたいと思います!

長い文章最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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