テーブルトーク「男らしさ」ってなんだろう【イベントレポ】
男性学を研究するゲストとともに「男らしさ」について考えました。
ゲストの西井開さんは男性同士の語り合いのグループ Re-Design For Men代表で臨床心理士です。2016年にエル・パーク仙台主催のジェンダー論講座を受講し、仲間とともにこのグループを立ち上げました。
当日の流れ
男らしさの文化、男らしさの影響で起こること
「ぼくらの非モテ研究会」で何をやっているのか?
フリートーク
※非モテ研究会
西井さんが所属する当事者グループ「ぼくらの非モテ研究会」では、月に1~2回ほど男性同士の語り合いの場を設けています。既存の「男らしさ」に捉われず、選択肢を増やし、少しでも生きやすくなる方法を見つけることを目指しています。
「男らしさ」のモヤモヤを語り合う
職場の上司の「男には厳しく、女には甘い」という態度にモヤモヤ
時計とか、車とか。男性の持ち物を何気なくチェックしてしまっている自分に気付く。そういうの、関係ないって思っているはずなのに…
喜怒哀楽があまりなく、話をするとどうしても主語を「自分」にできず大きくなりがち。「客観的視点」みたいなもので自分の周りを固めてしまう
夫や周りの男性を見ていると「男らしさ」にすごくとらわれている男性が多いように思う
女性として、男性にからかわれたりマウントを取られると感じることがある
男性が競争したがるのはなぜ?それは生まれつきなんだろうか、それとも環境の影響だろうか…
男性の「有害性」が目についてしまう。年を重ねていく男性の『良さ』が見えてこない
目立つところでよからぬ発言をする人がいて、「男はみんなそういうもの」と思われていることが怖い
生きづらさからジェンダーを学び始めた。自分は感情が乏しいし、存在価値がないのではと感じる
「男らしさ」vs「女らしさ」になってしまうのはなんか違う
「らしさ」という言葉が好きじゃない。「男らしさ」でも「女らしさ」でも「自分らしさ」でも、「らしさ」という三文字が付いた途端、何かに縛られる気がする
西井さんから
暴力性や競争性など、「男らしさ」の文化には弊害もあるが、そこから完全に解放されることは難しい。解放されることにこだわりすぎるとかえってしんどくなる。まずは自分の中にある「男らしさ」や「偏った考え」を認識することが大切。
あとから「あればまずかったな」と振り返ることができたら、人は変われる。「変われる」というのは喜びだし、アップデートできる自分を楽しんでほしい。
参考図書
※エル・ソーラ仙台では図書の貸出を行っています
・『「非モテ」からはじめる男性学』(西井開、集英社新書、2021)
資料詳細 | 仙台市男女共同参画推進センター (zoshokensaku-sendai-l.jp)
・『モテないけど生きてます 苦悩する男たちの当事者研究』(ぼくらの非モテ研究会、青弓社、2020)
資料詳細 | 仙台市男女共同参画推進センター (zoshokensaku-sendai-l.jp)
・『介護する息子たち』(平山亮、勁草書房、2017)
資料詳細 | 仙台市男女共同参画推進センター (zoshokensaku-sendai-l.jp)
・『男子問題の時代?錯綜するジェンダーと教育のポリティクス』(多賀太、学文社、2016)
資料詳細 | 仙台市男女共同参画推進センター (zoshokensaku-sendai-l.jp)