テーブルトーク~その“描き方”モヤっとします【イベントレポ】
エル・パーク仙台の市民活動スペースでは、男女共同参画をテーマにしたミニイベントを開催しています。今回は、テレビや広告、映画など、私たちの周りに溢れるメディアの表現をテーマにテーブルトークを行いました。
ゲストは、東北学院大学教養学部言語文化学科の井上正子先生。
井上先生の専門は文学、ジェンダー論。
冒頭に井上先生から話題提供があり、その後参加者同士で「もやもや」を話し合いました。
CMや映画、ドラマに見る変化
メディア全体としては「男性が仕事をし、女性が家事をする」といったような、従来の性役割を固定化する表現は減ってきている、と井上先生。いくつかの作品を紹介してくれました。
CMの「家族像」では、ステップファミリーや同性愛カップルなど多様な像が描かれるようになってきた
ディズニーの近年の作品では、古典的な「王子様からのキスで目覚める」表現が変わってきている
日本のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で主婦の家事労働への対価が示されたのは画期的
変わってきてはいるけれど…
家族であれば4人家族、子どもは上が女の子で下が男の子(一姫二太郎)という子育ての理想形が前面に押し出されている場合が多い
「王子様のキス」ではなくなったが、ケアする「母」という性役割が強化されているように見える作品も
家事をする男性が描かれている場合でも、結局家の中で主導権を握っているのは男性という表現になってしまっている…
正解はないため、制作側が多様なバリエーションを用意したり、受け手が違和感などを伝えたりしていくことが大切だという話もありました。
参加者のもやもやとその先
参加者が普段感じているメディアに関するもやもやも出し合いました。
大学のパンフレットなどに掲載される女子学生は「髪が長い・肌が白い・清楚」
いまだに男性のスポーツ選手に「妻の手料理で好きなものは?」という質問をする記者がいる
女性のスポーツ選手が出産すると必ず「母として」の姿が記事になる。「父として」の記事はほとんどないのに…
メディアが表現する「女」という言葉には「若い女性」や「母親」のイメージが強い。自分は世間で言われる「女」に当てはまらない気がする
現実の社会が変わってきているのに、日本のメディアはステレオタイプな表現がいまだに多いのでは…
「テレビは見ない」という世代もいれば、「情報源はテレビ」という世代もいて、触れるメディアはそれぞれ。
”お互いの見ている景色が違う”ことに気付くため、話し合いが必要だという意見も出ました。
みなさんはどんな表現にもやもやしますか?