仙台市立中学校生徒数ランキング(上位10校・2022年5月時点)
仙台市内で生徒数が一番多い中学校は?
以前、仙台市立小学校の児童数上位10校を紹介したところ、「どの地域に子育て世帯が集中しているかひと目で分かる」など、嬉しい反響があった。調子に乗って今回は、中学校の生徒数ランキングを紹介する。
データの出典は今回も仙台市の統計資料より。
第10位 丘の上の人気住宅地
錦ケ丘中学校(青葉区・622人)
仙台市西部の丘陵地帯にある錦ケ丘。小学校の児童数では総合2位にランクインした人気タウンは、中学校の生徒数でも10位に入った。2019年に広瀬中学校から分離新設されたばかりで、街は今まさに伸び盛りと言える。
第9位 珍しい「私服」の伝統校
第一中学校(青葉区・638人)
その名の通りの伝統校で、青葉区八幡の大崎八幡宮近くにある。制服が希望購入制で、私服でも通えるらしい(一中出身者とあまり交流が無いので真偽不明)。学区の八幡・国見エリアは高齢化も進んでいるものの、人口密度は高く、文教地区のイメージは根強い。
第8位 再開発と新駅開業で急成長
郡山中学校(太白区・645人)
市の南東部にある住宅地で、仙台屈指の再開発エリア「あすと長町」の高層マンションが集中する一帯が学区に含まれることから、近年生徒数を大きく伸ばした。東北本線太子堂駅(2007年開業)の徒歩圏でもあり、商業施設も充実している。
第7位 仙台から3駅の好アクセス
中田中学校(太白区・680人)
市の南部、東北本線の南仙台駅(いわゆる「ミナセン」)の東側一帯が通学区。近年は駅周辺に分譲マンションが相次いで建設されている。仙台バイパスや名取市方面の商業施設へのアクセスも良い。
第6位 こちらは仙台から1駅!
東仙台中学校(宮城野区・701人)
「東仙台」と聞くと、東北本線の東仙台駅周辺に広がる、昔ながらの住宅地のイメージが強い。だが実際には仙石線の小鶴新田駅周辺など、近年大きく人口を伸ばしている地域を含み、多様性に富んだエリアでもある。
第5位 新キャンパスに沸く文教地区
五橋中学校(青葉区・718人)
こちらも仙台から1駅…もとい徒歩圏の人気エリア。東北大学片平キャンパスや東北学院大学土樋キャンパスがあり、この春には東北学院大学五橋キャンパスも加わったことで、文教地区としての注目度が一気に高まった。周辺では高価格帯の分譲マンションの建設が相次いでいる。
第4位 野球も花見も徒歩圏内
宮城野中学校(宮城野区・764人)
仙台駅東口一帯を通学区に抱え、東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地や、桜の名所である榴岡公園も近い。近年の区画整理事業で一大マンション街となり、急激に人口が増えている。学区内の人口は約3万6千人と市内の中学校区で最も多く、利府町全域の人口に匹敵する。
第3位 分離新設後も市内有数の規模
広瀬中学校(青葉区・808人)
落合や栗生、愛子など、旧宮城町の中心部が通学区。最近はJR愛子駅より西側の上愛子方面にも宅地開発の波が及んでいる。商業施設が充実しているほか、宮城県立こども病院の存在も心強い。錦ケ丘中学校の分離新設で少し「身軽」になったとは言え、市内3位の規模を保っている。
第2位 南部の発展を牽引する副都心
長町中学校(太白区・897人)
古くから仙台市南部の中心地にして、太白区役所が立地する副都心。地下鉄南北線(学区内に3駅が所在)や大型商業施設の開業に加え、「あすと長町」の開発で発展に拍車がかかっている。通学区域は広く、人口も約3万5千人と宮城野中学校区に次ぐ多さ。
なお、長町と比較されることの多い北の副都心・泉中央を抱える、泉区の七北田中学校の生徒数は574人、学区内の人口は約2万4千人となっている。
第1位 「何もない駅」から大躍進
富沢中学校(太白区・985人)
地下鉄南北線の始発・富沢駅を中心に住宅・商業地域が広がる。近年まで駅周辺の開発が進まず、「何もない駅」と言われて久しかったが、今や市内指折りの人気エリアに成長。一日の乗車人数も八乙女駅を上回るようになった。
「駅チカ」の「平地」に集中する人気
今回は仙台市立中学校の生徒数が多い10校をランキングで紹介した。小学校よりも通学区が広いので、大まかな地域の様子を把握するにはこちらの方が良いかもしれない。小学校のランキングとほぼ変わらず、一部を除けば「駅チカ」の「平地」に子育て世帯が集中するトレンドが顕著に見られた。
また、今回も泉区の学校はランクインしていない(最多は七北田中、次いで南中山中)。1970年代以降、仙台市の人口増を牽引してきた北部の住宅団地群が、一つの「曲がり角」を迎えていることを示唆する。そしてエリアを問わず、丘陵部に広がる造成年次の古い住宅地では人口減少が続き、学校の規模も小さくなりつつある。10年前、20年前の統計資料と比較すると、仙台という都市の成長段階を知る上で、興味深い結果になるかもしれない。
なお、中学校については小学校よりも「越境通学」が盛んになってきていること、ランキング対象外の中高一貫校への流出が一定数あることなど、地域に実際に暮らしている生徒の数と必ずしも一致しないことは留意する必要がある。
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