闇堕ちした夏油くんに聴いてほしい音楽ランキング
おせっかいなのは分かってる。
でも俺は「君は一人じゃない」とかWANIMAみたいなことは言わない。
まぁ、彼らも屈託のない笑顔の裏に「実は芥川龍之介です」みたいな顔が垣間見える時があるが、一旦置いておこう。
自分のポリシーとしては、無理やり明るい曲を聴いて気分を上げるのではなく、落ちるとこまでとことん落ちて上げていこうという趣向です。
なんで夏油くんは闇堕ちしたのか
まず、夏油くんとは何者か。
彼は漫画「呪術廻戦」に出てくる主要キャラクターで、スターウォーズのアナキン・スカイウォーカーのように、物語の中で敵方になってしまう人物だ。
アニメの第二シーズン、29話「玉折」で闇堕ちする瞬間が描かれる。
呪霊から人を守る呪術師としての矜持、守るべき弱者の醜悪。その葛藤から終わりの見えないマラソンゲームに絶望する。
そんな彼に結果的に(タイミングが悪かった)引導を渡したのが特級術師の九十九由基。
際限なく生み出される呪霊を狩る"対症療法"ではなく、呪霊の生まれない世界を目指す”原因療法”を提示する。
「非術師を見下す君」
このセリフのシーン、九十九は非常出口を指さし、
「それを否定する君」
こちらのセリフでは先の見えない長い廊下を指さす。
「どちらを本音とするかはこれから君が決めるんだよ」
そして夏油君は非常出口を選び、親友である五条悟に殺され、羂索(けんじゃく)に体を乗っ取られる。
非常出口が夏油君にとっての逃げ道という意味なのか、夏油君が考える最良の世界という意味なのか、その両方なのか。
夏油君は優しすぎた。
優しすぎるがゆえに、救えない道に進んでしまった。
そんな夏油君に聴いて欲しい曲を独断と偏見で選んでみた。
第3位 yoake/Chapman
まさに夜明け時に聞きたい曲。
夏油君の心を癒してくれないだろうか。
親友の五条先生が、「長かった夜の話をしよう」と言えていれば、多分闇堕ちしなかった。
五条先生は強すぎて、寄り添って、弱さを補い合わなければならない人たちの気持ちが、この時分からなかった。
第2位 suppression/雨のパレード
夏油君の頭の中に、天使と悪魔がいるとしたら、この曲は悪魔側。
この曲を聴いてたら、闇堕ちのタイミングが1話前倒しになる。
文字に起こしたらめちゃくちゃ危険だった。
ボーカルの福永さんの色気ある甘い声と裏腹に、込められたメッセージは攻撃的。
最高です。
第一位 sub/objective /ぼくのりりっくぼうよみ
29話のエンディング曲にしてほしい。
今からでも遅くない。MAPPAさんお願いします。
部屋を真っ暗にしてヘッドホンで聴いてほしい。
月明りで十分。
夏油君みたいに闇堕ちする前に
人生生きていれば、闇堕ちしそうになるタイミングがあります。
みんな夏油君やアナキンの素質を持ってる。
特に若い時は。
人はどこまでいっても孤独だというけれど、音楽があれば本当の孤独にはなれなんじゃないかと思うわけです。
もし、社会との接点もない、心許せる人もいないのであれば、せめて歌える歌を心に持っておいてほしい。
いつか一緒に歌える人に出会えたら、いい人生なんじゃないでしょうか。