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井槻世菜
2017年10月9日 01:39
螺旋でできた世界がありました。その世界の中央には、長い長いどこまで続くともしれない銀色の螺旋階段が立っていました。 空はいつも曇りで鉛色の雲がおおっていたので、どれだけ目を凝らしても階段の頂上は見えませんでした。そして地上では、草一本生えない荒涼とした大地が、気の遠くなるほど果てしなく広がっているのでした。 この螺旋の世界では、人々は背中のゼンマイで動いていて、飢えることも乾くこともありま