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Suphxのシビれる一打〜25日目〜

この記事は

【麻雀】Suphx牌譜研究 Advent Calendar 2020 - Adventar

の25日目の記事です。

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メリークリスマス!🎄

今日はいよいよ最終日です!



今日の何切る

こちらの牌譜から出題

1st:ⓝSuphx(+95), 2nd:g-enki(-9), 3rd:日立台(-35), 4th:田中太郎二世(-51) http://tenhou.net/0/?log=2019070218gm-0029-0000-2f90052e&tw=2


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東3局、東家。

配牌7種で微妙な捨て牌でしたが、カン3sのターツが出来たところです。

マンズ染めを考えれば、正直あまり嬉しくないですが…

Suphxは何を切る?


答え合わせ


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Suphxの選択は2sでした。

「ここからマンズ染めに向かうのは普通じゃね?」と思いませんでしたか?

おそらくほとんどの人はそう思うでしょう。2sか4sか5pがマジョリティになると思います。

実はこの牌譜を取り上げた意図は別にあります。


まずは最終形を考える

配牌はこれです。

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ここからどんな最終形をイメージしますか?

ホンイツ、七対子、平和、リーチのみ、国士無双、役牌後後付け…

もしくは役牌を全部絞り切っての配牌オリ…

流し満貫の可能性もゼロではありません…

麻雀というゲームはとりあえず一番可能性の高い最終形を目指して手作りします。ここまで配牌が悪いと可能性はいくらでもありますが、この状況ならまずはマンズホンイツを本線に考えるでしょう。


最高形も意識する

最終形を考えるのも大事ですが、例え可能性が低くても一番打点の高い最高形を頭の片隅に置いておくことも重要です。

例えばこのシーン。

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もしも対面から切られるのが「發」ではなく「北」だったらポンしますか?

僕はこの状況なら満貫で満足なので「ポンする派」です。發をポンした場合は以下のような「役・役・ホンイツ」が見えますね。

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ですが、この手は見方を変えればメンホン七対子の2シャンテンです。

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これは「北」をスルーしなければ辿り着けない形です。リーチや裏ドラ次第では跳満、倍満が期待できます。「役・役・ホンイツ」よりもはるかに打点に伸びがありますね。

どちらが良いかは点棒状況や相手の雀風、ルールなどによりますが、「現実的な最終形」だけでなく「理想的な最高形」も意識することは重要です。

待ち番中でもやれることはたくさんあります。スマホや漫画を読んでる場合ではありません。どちらのルートに転んでもいいように常にイメージしながら打たなければ、咄嗟の鳴き判断や打牌選択を最適化することは難しいでしょう。


麻雀AIの集大成

Suphxマニアの方は気づいたかもしれませんが、この局はMicrosoftの公式ページでも紹介されている牌譜です。

そうです。

あの有名なSuphxの大三元の牌譜です


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実はこのアドベントカレンダーを始めた時からこの牌譜を最後に持ってこようと思っていました。

先程の「北をポンするか問題」ですが、もし北をポンした場合は最高形の大三元に辿り着けないということを一瞬で理解しなければなりません。鳴ける牌が出てその都度考えているようではダメです。特にポン材はリアル麻雀ではすぐに発声する必要があります。こういう場面で咄嗟に判断するためには相当慣れが必要です。

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麻雀AIの判断基準は毎回ツモを繰り返すたびに刻一刻と変わっていきます。今回大三元に辿り着くことが出来たのも、自手の評価値をずっと更新し続けたからです。

人間もそれが出来れば良いのですが、やはり対局中に脳みそをフルパワーで回し続けるのは難しいです。配牌からの先入観に引っ張られてしまったり、ツモが伸びず消極的になってしまったり判断基準がブレてしまうことが多いです。

今回の牌譜は打つ人によっては大三元にたどり着かないこともあると思います。単なるコンピュータプログラムであるSuphxがきちんと最高形の大三元をアガリ切ったのは偉大なる進歩であると思います。

やはり役満は麻雀の華ですからね。

麻雀AIの集大成として持ってこいの場面でしょう。


おわりに

ついに25日書き終えることが出来ました。

読んでくださった皆さん…

スキしてくださった皆さん…

フォローしてくださった皆さん…

ありがとうございました!

やはり25日連続投稿というのは大変ですね。毎日ダッシュボードを見てビュー数が増えるのを見てモチベーションを保っていました。12月中旬にSuphxが天鳳に復帰したのも心の支えでした。無事に完走できて良かったです。

そもそも僕がSuphxの記事をたくさん書いているのは「麻雀デビューしたての若い人たちがSuphxの牌譜研究をするための”高速道路”を整備したい」というのが目的です。特に英語の論文が読めず、機械学習の知識に乏しい小中学生のためになればいいなと思っています。

2020年時点では麻雀AIに関してわかりやすく解説する記事はあまり存在していないと思います。英語も数学も出来ない若者が麻雀AIを通して研究するのはとても難しい状況でしょう。そういう人たちでも直感的にわかりやすく理解してもらうような記事を書こうと思います。

この記事は今後ずっとネットの海を漂い続けることになるはずです。いつかこの記事を見た若者がSuphxを通じて麻雀強者となり、どこかのフリー雀荘やネット麻雀で老兵となった自分と対戦できたら本望です。

来年も出来ればアドベントカレンダー形式で牌譜研究をしてみたいと思います。SuphxかNAGAかMリーグかわかりませんが…

それではみなさんまた来年。

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