Media Makersを読んで
元々Twitterを通じてこの書籍の評判を聞いて興味があったので、「これからのお金の話をしよう」を購入する際に、田端さんの処女作も読んでみたいと思い、あわせて購入しました。
一文要約 by Semple
誰もが発信できるからこそ、メディアの持つ影響力の強さと脆さなどを認識しておく必要がある。
著者はどんな人?
livedoorブログやVOGUEなどでメディア担当として働き、ZOZOでコミュニケーション室長として働いた経験のあるサラリーマンでした。現在はサラリーマンを卒業して、いくつかの企業で広報やPRに関する顧問をしています。
著者は、自身をメディア野郎と自認するほどのメディアオタクです。
加えてよく炎上することで有名なTwiiter廃人の一人で、多くのフォロワーがいます。オンラインサロンも開催するなどソーシャルメディアにも精通しています。
本書は、あくまで著者の経験に基づく判断や思考過程を余すことなく披露していて、全て実体験に基づく内容のみで構成されています。
メディアとは?
著者は、情報を伝達するものをメディアと定義しています。定義の上で、メディアの起源を古代の壁画まで遡って解説しています。
メディアが誕生するには、コンテンツを作る人とコンテンツが欲しい人、そしてその隔たりを媒介して初めてメディアとなることができます。
つまり人間はメディアを通じてコンテンツを認知します。メディアは需要と供給の橋渡しをすることでメディアとなります。ここでメディアが影響力を持つようになりました。強いメディアには、より多くの需要を引きつけることができます。
影響力を持つメディア
元来影響力のあるメディアを考えると、新聞やテレビなどが思い浮かびます。
あるコンテンツが新聞やテレビに報じられると、多くの人に情報が行き届くことが出来ます。
マスメディアは一方的に情報を伝達することで、コンテンツを多くの人へ拡散することできました。そうして新聞やテレビは、影響力を持ちました。
一方で影響力を持ったメディアに間違いや誤報があると、そのメディアの持っていた信頼が失われてしまいます。そのため自浄機能や自己検閲などで、規律を作って影響力を保つ努力をしてきました。
ブランドと高潔さ
影響力を保持し続けるためには、ファンが求めるブランドイメージにそった行動をする必要があります。
「権力は足がはやい」とはよく言ったもので、影響力を持つとその力を自制できず暴走する危険性もあります。それを防ぐためには、高潔さが必要です。
高潔さは、プロ意識や信念と似たものであり、自浄機能を持ってブランドイメージを保つ企業努力が必要です。
ブランドの例として、ミシュランがある。ミシュランは評価方法が厳格に定められているため、最高のレストランガイドとしてのブランドが築かれています。さらに評価方法が公開されているため、ミシュランは信頼を集めることができます。
一方で、権威性はなくとも信頼されるブランドというものも存在します。食べログです。評価方法は個々人の投稿の総合であり、その評価方法はバラバラですが、それなりに信頼されるブランドです。
元来影響力は権威性のあるメディアのみでしたが、IT革命によって、ユーザー参加型のメディアは大きく影響力をつけていきました。いわゆるソーシャルメディアです。
メディアのブランド価値や高潔さは多種多様ですが、一度信頼されなくなったメディアは立て直すのに大きな努力が必要となっていきます。
書籍を読んで。
今でも影響力は大きいですが、近年力を得たものはソーシャルメディアと呼ばれるTwitterやFacebook、Youtubeなどの個人型メディアと言えます。
出版や放映が一部の企業にしかできなかった時代には、メディアは企業のものだった。しかし今は、このブログを始め多くのソーシャルメディアがあります。
つまり個人がメディアを持つことの出来る時代です。
伝統的なメディアの凋落とともに、ITの発達によりこれからは個人が台頭できます。
個人のブランディングという文脈でも個人のメディアであっても、影響力を持つためには、信頼を維持していく必要があります。そのためには、メディアの持つ影響力の強さと脆さなどを認識しておく必要があります。
誰もが発信できるからこそ、影響力の恐ろしさをきちんと把握しておく必要があるように思います。最近目にするステルスマーケティングは、影響力を理解できないメディアの失敗と感じました。
インスタグラムやnoteに代表される個人メディアは、広告と創作を明確に区別するようなルール作りを進めています。
メディアの持つ影響力をきちんと管理できないとメディアに踊らされてしまいます。
またWebには多くのコンテンツが、存在します。
研究機関や大手新聞社が出すような権威性のあるコンテンツもあれば、TwiitterやWikipediaのように参加型のコンテンツも多数あります。
近年では個人も影響力を身に着けることができます。インフルエンサーやYouTuberは、ソーシャルメディアを通じて、影響力を手に入れた一例と言えます。
影響力を身に着けることで、コンテンツを広く拡散することが出来ます。しかし同時に自浄作用も持っておく必要があります。大きな力には、大きな責任がともないます。
高潔さのないメディアは、その間違った影響力で破滅してしまいます。誰もが発信できる時代だからこそ、メディアの持つ影響力の強さと脆さをきちんと認識しておく必要があります。
田端さんをもっと知りたい人へ。
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・就活と市場原理に関する対談