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Overexcitabilitiesとの共存。

ちょうど1年前、大学院の課題の一つとして Helping Bright Kids Manage Their Overexcitabilities という内容のスライドを作りました。その一部を和訳したものを note にも記しておきたいと思います。

ギフテッドの特徴の一つとして Overexcitabilities(強烈性)という生まれ持った特徴がありますが、その強烈な感性を活かしながらながら、どう日々をやりくりしていくのか・・・のリストです。

Overexcitabilities(OE)の詳細に関しては、とくにギフテッドの子育てをされている方々などは すでにご存知でしょうから、大まかにしか書いていません。詳しくは Wikipedia 等ご覧ください。


Overexcitabilitiesの概要

Emotional Overexcitability(感情性OE)
・強烈な感情と感性
・思いやり、共感性
・臆病、シャイ
・恐れ、不安、うつ
・新しい環境に適応しがたい
・オーバーなリアクション

Imaginational Overexcitability(想像性OE)
・Imaginary friends(想像上の友達)、空想遊び
・スピリチュアルで創造的な思考
・Day-dreamer(白昼夢)
・独創性
・鮮明なビジュアルメモリー
・ファンタジーの世界の住人

Intellectual Overexcitability(知性OE)
・多読
・強い好奇心
・情熱的に学ぶ
・質問魔
・驚異的な集中力
・内省
・抽象的な思考
・素晴らしいユーモア

Psychomotor Overexcitability(精神運動性OE)
・熱狂
・早口
・エネルギーのかたまり
・貧乏ゆすり等の神経質なクセ
・衝動的
・落ち着きがない

Sensual Overexcitability (知覚性OE)
・研ぎ澄まされた五感
・鋭い五感による悦びと嫌悪/苦痛


Overexcitabilitiesに対する誤解の弊害

・ASDやADHDなどと誤診( ← 誤診でない場合もある。安易な判断は危険)
・不安障害、うつ
・その他 精神的なダメージ
・アンダーアチーブメント
・いじめ、疎外感
・不登校、ひきこもり
・OEにより高い能力を見過ごされ不適切な学習環境に入れられてしまう
( → 意欲低下、うつ、不登校、ドロップアウト等)


Overexcitabilitiesの素晴らしさ

強い共感力や思いやり、正義感 (E)
周囲との深い繋がり (E)
強烈な集中力 (In)
小さな物事のなかから深い悦びを感じる能力 (S)
グローバルな問題を深く追及し、解決したいという欲求 (E & In)
多面的な思考力、洞察力 (E, Im & In)
Creativity(創造力) (Im, In & S)
(By Institute For Educational Advancement


Overexcitabilitiesとの共存&その支援

全般
・Overexcitabilities を認め、受け入れ、前向きに進められるよう支援する
・子どもが生まれ持った Overexcitabilities のポジティブな面を子どもと話し合う
・子どもに合うリラクゼーション方法を一緒に探す

Emotional Overexcitability(感情性OE)
・子どもの話に心から耳を傾け、積極的に聞く
・子どもが自分の感情を理解し、的確に伝えられるようサポートする
・感情と、それに伴う行動は別であるべきことを教える
( → 怒りにまかせて手を出さない等)
・他者の感情や気持ちも尊重できるようサポートする
・Social Action, Justice Project など奉仕活動に参加させる又は一緒に参加する

Imaginational Overexcitability(想像性OE)
・子どもの創造的かつ想像的な表現を大切にする
・子どもの気持ちを受け入れ、実際に体感している経験を尊重する
・想像の世界と現実の世界の区別ができるよう助ける
・子どものアイデアや考えを保管しておく
・想像力を使って問題を解決したり困難に耐えうるよう支援する

Intellectual Overexcitability(知性OE)
・子どもの知的能力を認める
・子どもの学習ニーズに応える(先取り学習などの早修、深く学ぶ拡充、等々)
・人はミスは避けては通れないこと、ミスから学ぶことを教える
・自分の疑問、質問に、自分で答えを見つけられるよう導く
・同等の知的レベルや同じ興味関心事を持つ友人ができるよう機会をつくる
・子どもたちは まだ “大人” ではないことを忘れない
( → 知的年齢は高くても、精神年齢は実年齢前後かもしれない)

Psychomotor Overexcitability(精神運動性OE)
・“スポーツ” が精神運動性OEの表現方法だとは限らない
・“スポーツ” が その子の精神運動性OEのニーズを満たすとは限らない
・さまざまなシーンで “動き” をとり入れる
( → 立って読書、お手伝いなら買い物、バランスボールをイス代わり、等々)
・疲れていることに気づけるよう声がけなどする
・静かな時間(down time)も必要であることを教える
・その子が心地良く、穏やかな気持ちになれるアクティビティを一緒に探す

Sensual Overexcitability(知覚性OE)
・子どもが体感している “フィーリング” は本物なのだと理解する
・不快な刺激を制限し、心地良く過ごせる環境をつくる
・自分にとって心地良いものを積極的に見つけていくよう導く
( → 音色、食べ物、香り等々なんでも)
・反応してしまう刺激に対して上手くやりくりしていけるよう支援する
( → 耳栓やマスク、サングラス等々なんでも)

(Daniels & Piechowski)



References
Daniels, S., & Piechowski, M. M., (2008). Living with Intensity. Great Potential Press, AZ: Scottsdale. ISBN-13:9780910707893

Hébert, T. P., (2018). Helping Bright Kids Face Life with Grace and Grit [Power Point slides]. Retrieved from Lecture Notes at Confratute in 2018.

Hellinger, R. (2013). The Gift of Emotional Overexcitabilities. Supporting Emotional Needs of the Gifted. Retrieved from
http://sengifted.org/the-gift-of-emotional-overexcitabilities/

Hellinger, R. (2014). Strategies for Dealing with Overexcitabilities. Supporting Emotional Needs for the Gifted. Retrieved from
http://sengifted.org/strategies-for-dealing-with-overexcitabilities/

Unknown /A former IEA employee. (2015). The Bright Side of Overexcitabilities in Gifted Children. Institute For Educational Advancement. Retrieved from
https://educationaladvancement.org/the-bright-side-of-overexcitabilities-in-gifted-children/

Webb, J. T., (2017). [Power Point slides]. Retrieved from Lecture Notes at CAGCON in 2017.

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