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五条天神宮〜日本最古の宝船図考2(カガミについて②)
さてみなさん、今年も明けましたね〜🎶 どうぞよろしくお願いします。
明日は1月11日、鏡開きです。お正月には、きっと鏡餅を飾られた方もたくさんいらっしゃると思いますが、ここでお尋ねします。鏡餅を上から見たことある人!
…おっと〜、少ないですね!?
私は今年、ちゃんと上から見ましたよ、こんなふうに。
(写真は撮り忘れたので、拝借)
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そしてこれは「蛇の目紋」と言います。前回の、吉野裕子さんの説によるなら、カカの目、鏡です。
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はい。そっくりですね。
さらにいうと、これともそっくりです。
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「天地のはじめ虚空の正中に“、”の気なる」と言う御名であります。即ち○の正中に“、”をなして、その形は“第一図“の如くなるのでありまして、これが天之御中主神の御神タマであります。
○は母の水、「、」は父の一滴であり、草木一粒の種であります。
草木一粒の種。
そう、今回は、この図↑とカガミの船(嘉賀美能加和)にコレ(稲穂)が乗っているの↓は同じことを表現しているのでは? という話。
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江戸時代の国学者で言霊学の泰斗、山口志道の『水穂伝』において、鏡餅にはこのような意味があると記載されています。
「この餅をカカミモチと唱うることは、鏡の本語はカケミなり、ケをカに通じてカカミという。影を模して見るの名なり。この餅の上の小なるは「、」(火)にして大なるは「○」(水)なり。これを組み重ねて○チョンの形をなす。則ち、天御中主神の御影なり。」
コトダマの世界においても、○はカガミ、水を意味します。
「○」と「、」で示される天御中主神の御影。つまりこれが、鏡餅の正体であり、五条天神宮の宝船が表していることでもあるのではないかと推察しています。
つまり、少彦名命は、言うなればこの「、」、草木一粒の種を表しているのではないでしょうか。
さらに、鏡餅に込められたメッセージを紐解いていくと…
「この三品を年の始めに備うるは、月、日、時の“タマ“あるの故なり。その訳は、トシカミの反しチなり。すなわち神の御“タマ“なり」。
下に敷かれた「シダ(羊歯=裏白)」は、「トキ(時)を、「タヒタヒ(橙)」は「ツキ(月)」、「モチ=餅」は「チ=日」を意味しており、「皆、年神の“タマ“のチに合わせて月、日、時に“タマ“合するものを集めて備るなり」。
…つまり、正月の歳神様を迎えるために、月・日・時の象徴として鏡餅と橙、羊歯をお供えしたということなんですね。刻が重なると時になり、時が重なると日になり、月が重なると年になる。鏡餅の重なりは、年・月・日・時(・刻)の重なりの象徴である、と。またそこには、年月が重なった大晦日、お正月にやってくるとされる歳徳神(女神=○)に、新しい日(=“、”)を現して新たな一年を産むという考え方が土台にあるんですね〜。
現代においては、羊歯=裏白(夫婦共白髪)、橙(代々繁栄)という、日本文化独自の「見立て」で解釈するのが一般的ですが、コトダマで読み解くと、さらに一段深い、中世〜古代の日本人のココロが見えてくる、そんな気がしませんか?
次回以降は、五条天神宮の御祭神・少彦名についてさらに詳しく見ていきます。