訪問医療マッサージ集客の極意ー営業計画をつくろう!
営業計画
営業戦略が決まれば、それを具体的に計画に落とし込む作業が必要です。特にWhen(いつまでに)について記載されていると計画として洗練されます。営業計画を立て始めたばかりのころに、よく陥ってしまうのは「この戦略で行こう」と決めても、可視化(見えるようにする)していないことで具体的な期間をイメージできず、ただひたすらに営業訪問マシーンとなって訪問するしかないような「無理のあるスケジュール」の企画になってしまうといったことです。
時間制限を設け営業担当だけでなく、会社全体で社内の営業の動きについて確認と認識共有を図ることで、営業は自身がどのようなスケジュールで動いているのかわかってもらえているためメリハリがつきやすく、施術者にも営業の重要性を知ってもらうことができるのです。
計画の落とし込みの方法は簡単で、当社ではExcelという表計算ソフトを活用しています。昨今のパソコンには、最初からofficeが搭載されているものも多く出回っているので、利用したことのある方も多いソフトだと思います。さまざまな機能があるソフトですが、当社では、表を作成するだけという一番簡単な方法を採用しています。
表の作成方法は、一番左側に大項目、次に中項目、数字的目標、その隣に4月から3月までの1年間を月ごとに並べるだけでOKです。大項目には「営業活動」と記載します。中項目には営業活動の中に、「訪問」「手紙」「地域広報」「電話」「ケアマネ体験会」「ポスティング」などの具体的な取組方法を記載します。プロセス、つまり行動目標数値を置くために数字を記載します。例えば、訪問件数であれば1カ月の目標訪問件数を記載します。手紙やDMなら1カ月に送るべき数値目標を記載します。これを月単位だけでなく年単位に並べてもよいでしょう。そして、3月から4月の各空欄には実際の営業活動数字を記入します。
これで1年後に振り返ったときに、自分たちはどの程度の営業活動を行い、どの程度の成果が出ているのか振り返ることができます。
経営者の多くは、主観的感覚で会社経営をしています。当社の支援では感覚経営ではなく数字という事実を基に、戦略や計画を立案して推進しています。計画も適当、戦略も具体性のない抽象的な言葉だけならべている経営者の話では、社員も理解ができず「社長は何をいっているのかわからない」と反発がでるだけです。
抽象的な言葉を具体的にする方法は二つあります。一つは数字で表記することです。もう一つは、文字で表現することです。この二つが合わさることで、より理解ができるようになります。これは訪問医療マッサージにかかわることだけではありません。
売り上げが上がらない会社には「営業」を安易に考えている経営者や上司がおり、彼らは決まってこういうのです。「どうして今月は問い合わせが少ないんだ! 電話が全然鳴らないぞ!」。営業担当が尋ねます。「では社長、今月の問い合わせは何件だと思いますか? 前年比較でどの程度がわかりますか?」。これに対し社長は「今月は電話がなっていない」としか答えることができないでしょう。「電話が鳴らない」=「問い合わせが少ない」というのは感覚でしかないのです。実際は、直近3カ月間で比較しても、前年同月で比較しても数字は事実として上回っていたりします。つまり問い合わせが少ないという自分の感覚に頼っており、自分の感覚値の差で部下や営業担当を責めているのです。
もし本当に問い合わせが少なかったとしても、計画表を作成し、実際の実績を記入することで、その原因を分析することができます。結果ではなくプロセスに焦点をあてることで、問い合わせが少ない原因を明確にし、戦略を練り直すことができます。人間の感覚は大切です。しかし数字はもっと大切です。計画を立て、進捗を時期ごとに確認し見直すべきところがあれば改善を行います。これがよくいわれるPDCAです。感覚では、人はついてきませんし、社員や部下の頑張りを同じく社長の感覚で判断してしまっては、貴重な人材が去ることになります。