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苦しい時の私の処方箋
「大丈夫」
人が生きているうちに何回も使う言葉の一つだ。
この言葉には、その人の優しさだったり、我慢強さ、強がり、思い込み。
その時々によっていろんな意味合いが込められている。
心に余白がなくなると、得体の知れない不安が自分の考えの大部分を占めてしまうのにその不安を外へ放り投げることができなくなることがある。
解決策なんてやってみないとわからないのに、ついぐるぐると思考が止まらなくなってしまう。
そんな時、わたしは山を歩く。
ただただ、何も考えずに足を進める。
歩くことに集中していると不思議と自然の音が研ぎ澄まされて耳に入ってくる。
自分自身を囲んでいる環境と一体化しているような感覚を味わえる。
鳥のさえずりや葉っぱの擦れる音。
森の中にいる時の独特の匂い。
土の上を歩く感覚。
体に触れる風。
太陽の光。
澄んだ空気。
ああ私はこの感覚を欲していたんだと歩いてきた道を振り返りながら思う。
足を進めていくうちに、いつの間にか、あれほど大きな風船のように膨らんだ不安が小さくしぼんでいる。
心地良い。
そうだ。私はあれをやりたかったんだった。
忘れかけていた自分の好きが蘇ってくる。
山に出会えなかったらそれはそれで今とは異なる人生を歩んでいたと思う。
でも山歩きをしていなかったら巡り会えなかった縁や景色は数え切れない。
新しい一歩を踏み出す時、いつも山で自分と向き合うようになった。
山は私にとっても、登山を愛する人にとっても苦しい時の薬以上のクスリなのかもしれない。
だから私はこれからも歩ける限りいくつになっても山を歩き続けたい。
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