どうすれば帰れるか?在宅復帰の妨げになるトイレ動作を解決!-入院中の下部尿路機能評価から動作・環境面への介入、他職種連携を駆使したアプローチ方法-
在宅復帰におけるトイレ動作ってめっちゃ悩むことないですか?
在宅復帰を考える上で、排泄動作についての問題をよく聞く事があります。
・家の人が、トイレは絶対に一人で行ってほしいって言ってる
・認知機能も低いし、絶対転倒しそう
・普通のトイレとポータブルトイレどっちを使えば良いんだろう
・日中はなんとかなるけど、夜間はどう対応するのがベストなんだ
・家族の人に、おむつは必要ですかと聞かれたけど、どう答えよう
などなど、キリが無いほど悩み相談を受けることがあります。
実際の臨床では、トイレ動作に関わる、下部尿路機能から認知・動作・環境を評価し、さらに他職種連携しながら対象者に最適な排泄動作を選定していくことになります。
在宅復帰において排泄動作の問題を解決する時の悩みの共通点は、、、
「排泄動作に関わる下部尿路機能から認知・動作・環境の評価の考え方と実際のアプローチ法」を理解できていない事にあるんです。
在宅復帰で排泄動作に関する問題を解決できないでいると
まず、自分が提供するリハビリテーションに自信を持てなくなります。
すると常に不安を抱えながらリハビリを行う事になるので、対象者への態度にも自信のなさが表れます。
対象者に「私は家に帰れるかな?」
家族に「トイレはどうすれば良いですか?」
と聞かれた際に、うまく説明をしたり、解決策を提示できないままになってしまいます。
もう悪循環真っ只中です。負のループです。
抜け出し方がわからなくなります。
「どうすれば帰れるか?在宅復帰の妨げになるトイレ動作を解決!-入院中の下部尿路機能評価から動作・環境面への介入、他職種連携を駆使したアプローチ方法-」の出番です
このnoteは、在宅復帰に必要な排泄動作問題を解決するために作られています。
排泄動作に関わる下部尿路機能から認知・動作・環境の事、他職種連携の仕方がわかれば、在宅復帰に向けたアプローチを加速させる事ができます。
そのようなことを目指して作りました。
もちろん、適応できる方、適応しにくい方がいますので、ベーシックな考え方ができるように内容が構成されています。
患者様や家族様に、解決のための考え方を説明する際にも、もちろん使える内容になっています。
マガジンでは在宅復帰につなげる記事をお得に見ることができます。
マガジンでは、在宅復帰において重要な、住宅改修を成功させるコツについての記事も掲載されています。
在宅復帰を考える際には、対象者の心身機能・活動参加レベルに応じて、環境調整による代償手段も利用する事が必要になります。
マガジンを購入していただくと、在宅復帰に必要な情報が1480円で得ることができます。
少しでも皆様のお手元に渡りやすいと思われる値段設定にしました。
貴重な時間を無駄にしないために、できるだけ端的に、臨床場面に活かせるような内容にしました。
私見も含まれているため、臨床応用する場合は慎重に行ってください。
このマガジンが皆様の臨床の手助けになれば幸いです。
排泄動作は在宅復帰に向けた重点課題
脳卒中患者が自宅復帰するための条件を検討した報告では、トイレ移乗が要介助でかつ家族構成人数が2人以下の場合は自宅退院が 困難だとされています。
また、在宅復帰の条件として、家族が【一人でトイレに行ける事】を挙げる事は多くあります
入浴は出来なくても、社会資源利用による入浴面での介護負担減効果が得られやすいですが、排泄動作に関しては、認知症の程度、尿意・便意、マンパワー、在宅環境、家族との関係など、様々な要因が絡みながら、在宅復帰につなげるには何が必要かを考える必要があります。
排泄に関する様々な問題
排泄動作は、身体的要因や看護・介護力の不足などからオムツを使用することが多くなりやすい事が特徴にあります。
ベッド上生活による腸蠕動の低下から便秘になりやすい事もあり、緩下剤を使用していることが多く、うまく排便コントロー ルができず便秘と下痢を繰り返しやすい事も言われています。
日中や夜間問わず、様々なタイミングでの介助が必要になる場合があるため、介護負担も大きくなりやすいと言えます。
家族にとっての排泄動作
在宅復帰に際して、家族の希望はトイレ動作の自立という具体的なものであるケースが多くあります。
排泄の介助は家族にとって衛生上、また時間的にも負担の多い介護動作です。
排泄動作が介助であっても在宅復帰することは可能で、それには本人の能力ではなく家族の退院に対する受け入れや意向、介 護力の有無が在宅復帰を分けるポイントになります。
様々なタイミングで介助するためには、同居家族の存在が重要になるとも言えます。
排泄動作を行う意義
排泄動作を行う意義には、以下のような事があります。
・本人の自尊心が保たれる
・介護者にとっても高齢者に対する尊敬の念を維持させる
・座位姿勢は臥位姿勢と比較し、排便を容易にさせる
・姿勢を正すことにより腸管運動を促進し便秘予防の効果もある
・毎日数回繰り返し行われる排泄行動は起立・着座や座位保持訓練になり、
寝たきり予防に繋がる
このようなことからも、排泄動作を行うことにはメリットがあり、入院中から在宅復帰において、排泄動作をいかに行えるかという事は重要な検討事項になります。
排泄行為に必要な動作
排泄という行為は、いくつかの要素から構成されています。
1) 尿便意を認知する
2) 排泄してよい所まで我慢する
3) 移動する
4) 衣服の操作を行う
5) 排泄する
6) 清潔にする
これらの行為ができるメカニズムを知っておくことは、なぜできないのか?どうすればできるようになるのか?を考え、介入するために必要になります。
排泄動作の構成要素
次は動作面の構成要素です。
1) トイレまで行く
2) ドアを開けてトイレに入り、ドアを閉める
3) (便座ふたの上げ下げ•••洋式)
4) 下衣を下ろす
5) 座る(和式であればしゃがむ)
6) 用を足す(いきむ等)
7) 拭く
8)(水を流す•••水洗)
9) 立ち上がる
10) 下衣を上げる、上衣の裾を入れる
11) ドアを開けてトイレから出て、ドアを閉める
動作を行う環境により多少の変化はありますが、おおむね上記のような動作で構成されます。
トイレ動作に必要な要素
トイレ動作に必要な要素を理解することにより、なでできないのか(評価)、どのような練習をすればできるようになるのか(介入)を考えやすくなります。
トイレ動作は中間位での抗重力活動を多く伴う動作です。
屈曲要素を併せ持つ他のADLの利用として、
・体幹側屈:下衣の上げ下げ動作、トイレへの移乗動作、排泄後の清拭動作時
・体幹伸展での回旋:トイレットペーパーを取るための上肢の
リーチ動作
・体幹屈曲:自己カテーテル法や排泄後の清拭動作
といった体幹を中心とした動作があります。
バランス能力も必要です。
バランスというのは、身体重心線が支持基底面内に収まっていることがで保たれます。
支持基底面内の一定の位置に重心を保つ姿勢保持(静的バランス)と、支持基底面内での重心移動、立ち上がりや歩行といった支持基底面の変化に応じて重心を移動する動的動作が非常に重要になります。
トイレ動作に必要なバランス能力
トイレ動作に必要なバランス能力としては、まずは静的バランスがあります。
これには、閉眼立位(視覚系を除く前庭系や体性感覚を用いた姿勢制御 )が重要です。
また、動的バランスでは、着座、立ち上がり(上肢支持を用いることなく前後方向へ支持基底面および
重心を移動する能力 )、移乗(上肢と両下肢で構成された支持基底面を変化しながら前後左右方向に
重心を移動する能力 )が重要です。
閉眼立位の必要性としては、下衣操作やレバー操作立位保持と上肢操作を同時に行う動作が含まれるた
め視覚に依存した立位姿勢保持では自立することが困難 になるからです。
トイレ動作の分析(どう評価するか)
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