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(今日の言葉10)論語の実践 大手書店の由来にもなった曾子の教えで「過ち」を改めよう!
「過(あやま)てば則(すなわ)ち改(あらた)むるに憚(はばか)ること勿(な)かれ。過ちて改めざる、是(これ)を過(あやまち)と謂(い)う。」
(現代語訳)「過ちを犯したら、ためらわずにすぐに改めなさい。過ちを犯して改めないこと、それを本当の過ちという。」
儒教が紆余曲折な歴史的変遷を辿りながらも、今なお「論語」が多くの人々に愛される理由がわかります。この一節に触れると、心に響くものがあります。
人は誰しも間違うことは避けられません。しかし、孔子(こうし)はその過ちを改め、同じ過ちを繰り返さない人物を評価しています。孔子は、自分の後継者として期待しながらも早世した顔回(がんかい)を「過(あやま)ちを弐(ふた)たびせず」と評しました。孔子の思想は、仁(他人への思いやり)、義(自らの責務を果たすこと)、礼(仁を実践する具体的な行動)、智(学問に励むこと)、信(嘘をつかず、約束を守ること)という五つの徳(五常)に基づいています。この五常に反したとき、「過ちを犯した」といえるのではないのでしょうか。
では、実際に過ちを繰り返さないためにはどうすれば良いのでしょうか。私は、同じ「論語」に孔子の弟子である曾子(そうし)の言葉に答えがあると思います。
「曾子曰く、吾(われ)、日に三たび吾が身を省(かえり)みる。
人の為に謀(はか)りて忠ならざるか、朋友(ほうゆう)と交わりて信ならざるか、習わざるを伝うるか。」
具体的に孔子より46歳年少の弟子、曾子が日々振り返っていること(三省)を確認していきましょう。
1.人の為に謀りて忠ならざるか
他人のために真剣に考え、行動したかどうかを反省することです。もし忠実でなかったと気づいた場合、すぐにその態度を改めることが求められます。これは孔子の「過ちを犯したら、ためらわずにすぐに改めなさい」という教えに通じます。
2. 朋友と交わりて信ならざるか
家族や友人、職場との人間関係において誠実であったかどうかを反省することです。もし誠実でなかったと気づいた場合、すぐにその態度を改めることが重要です。これも孔子の教えと一致しています。
3. 習わざるを伝うるか
自分は、先人や師から教えていただいたことを深く理解できたのだろうか。また、 自分がまだ十分に理解していないことを他人に教えていないかどうかを反省することです。もしそのようなことがあった場合、すぐにその行動を改めることが求められます。これもまた、孔子の教えに沿った行動です。
このように、孔子の教えは主要な弟子である曾子の言葉を通じて実践することができます。
ちなみに大手書店「三省堂」は、この曾子の三省から名付けられました。
これから就寝前、私もまず、曾子と同様に「三省日記」を書き始めてみることにしました。論語の教えは、「まず実践!」ですね。