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【SELFの本棚】#51 地産地消と学校給食 安井 孝著

(SELF編集部:かつ しんいちろう)

「食」と「ことば」を大事にした地域の中核にある学びの環境をつくろうというプロジェクトを進める中で出会った本です。

愛知県今治市では1983年から息の長い息の長い活動が続いています。そう、もう40年前からです。農家、学校、役場、議会、民間企業(農協、漁協、ホテル)など地域の中のプレーヤーが地産地消運動、旬産旬食、学校給食の充実、食育、有機農業の振興などに取り組んでいます。その流れを書いたのが、この本です。筆者は文字通り旗振り役となった安井 孝(やすい・たかし)さんです。

地産地消を進めることは、地域農業の振興や有休農地の解消になり、輸送距離も短いので二酸化炭素の排出量削減に貢献するという仮説を実証している例になります。
有機野菜農家は給食用の売り上げが確保されます。消費者から直接「新鮮でおいしい」「健康にいい」といってもらえるため、生きがいにもつながります。地元のマーケットでも売り上げが伸びます。
こどもたちは生産者が見え食材にも詳しくなり食育にもなります。
こうして今治市では地域経済循環が生まれたということが書かれています。

こうした取り組みは一人ではできません。旗振り役の人、議員、行政の首長、農協などの民間団体など、多くの関係者が共通の目的に向って、ここは譲れないけど、ここは譲ろう(←ここを引き出す『対話』が重要)というやり取りの積み重ねだということが今治市の事例でも分かります。

今治市の取組は、スタートして40年。一旦センター方式になっていたものを各学校の給食室で地元の産品で作る給食に戻しました。そうした給食を食べて育った大人が今では人口の大半を占めています。地域では当たり前になっているわけです。

こうした取り組みが日本中、世界中に広まるように、鹿児島でも地域モデルを作って行きます。この本を読んで、イメージを膨らませてみてください。




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