【SELFの本棚】#012 教育DXで「未来の教室」をつくろう 浅野大介著
(文:SELF編集部 かつ しんいちろう)
経済産業省サービス政策課長・教育産業室長、そしてデジタル庁統括官付参事官の浅野大介さんの書いた日本の教育DXに関する本です。
肩書からも分かるように国の中で教育DXを推進するど真ん中にいる方です。
浅野さんは、11月8日に開催された元長島町の副町長井上貴至さんが事務局長を務める「地域力おっはー!クラブ」に登壇してお話を伺いました。
これからの日本の教育はどうあらなければならないか?について多くの方々と議論し、現場を訪ね、方向性を探りながら打ち出すということを精力的に行っています。
SELFでも注目しているイエナプラン・スクールの大日向小学校などの先駆的事例もいくつか紹介されています。
これは全く私の個人的な感想ですが、こうした新しい教育の現場は、これまでの慣習で私たちが作ってきた規則のようなものを一旦無しにして、ゼロの状態から、子どもの成長を考えた時に必要なものだけを最小限に用意した状態のようにも思えます。
今の日本の教育現場は制度疲労を起こしていて、追加追加で乗せているので、そもそもの土台が見えなくなっている気がしています。GIGAスクール構想で全国の小中学校に配布されたタブレット端末が高級デジタル文鎮にならないように(もう、一部ではなりかけている)、方向性と支援体制に加え、そぎ落とすところにも着手が必要です。
さて、この本の中で浅野さんは、現在教育界で挑戦している方たちとの対談を通して、これからのSTEAM教育の建付けや「旅する高校」やなどの現在の制度でも運用できる仕組みなどについて解説をしています。少し明るい未来が見えます。
教育は人づくり、すなわち未来であるので、すべてに優先して取り組むべきテーマ。「このままでいいの?」「何をどう変えたらもっと良くなる?」を問い続け、新しいしくみをみんなで作っていきましょう!