嘘をついて良い時ってどんな時?

誰だって嘘をつきます。他国への大きな侵略を犯している国では、その国がばらまく虚偽の情報が国際的な問題となっています。個人なら嘘をついてよくて国なら嘘をついてはいけないのか?

いえ、個人でも嘘をつき続けて「嘘と事実の区別が自分でもつかなくなっている人」がいます。いわば嘘が事実を常に飲み込んでしまう病的な例です。

また、「あなたの後ろに悪い霊が見える。これを買えばその霊が消える」と言って、たくさんお金を稼いでいる人もいます。これも「悪い嘘」の見本でしょう。

では良い嘘とは? 片岡鶴太郎さんが主演でドラマ化もされたベストセラー漫画「家裁の人」では、卓越した法律知識と人間性、事務能力を備えた裁判官が、あえてエリートコースから外れて真に裁判を利用する人のために活躍する姿が描かれます。それを疎ましく思う若手の青年裁判官は、上司の老ベテランの裁判官に聞きます。あの人はなぜあんな風に活躍できるのか?すると老ベテラン裁判官は答えます。「凄いよあいつは。あいつは自分には絶対嘘はつかないんだ。ただ、他人のためには必死で嘘をつくんだ」と。

ですから皆さんも他人のために嘘をつきましょう、それならダイジョーブ!と言いたいのではありません。というのは、嘘をついて良かったかどうかは、その後で起こることでしか判断でないからです。

ただ、こんな時に嘘をついてみるのはどうでしょう?それは、他人のためでも自分のためでも良いので、前向きになれるよう「事実をずらす」ために嘘をつくのです。どういうことか?職場で元気のない新人さんに「あれ、昨日より仕事が丁寧になってない?」と声をかてみてはどうでしょう。独立したものの新規事業がうまく行かず焦っている自分に「昨日より前に進んでるのでは?」と呟いてみる。

人間は「自分」というフィルターでしか世界を見ることができません。ということは「自分」という世界に対する「解釈」が変われば、世界が、現実が変わっていくことだってあるのです。前向きな主観が事実を引き寄せるのです。嘘でもいいから「事実をずらす」ことによって、やがてはその人の仕事が本当に丁寧になっていく、そして、事業が少しずつ前に進む。自分を良い意味での勘違い野郎に作り変えて、自分が守りたい他人も良い意味での勘違い野郎に変身する手助けをしてみてはどうでしょう。



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