「ゲームブック」の思い出 学校で堂々とゲームするには
90年代頃、あるいはそれよりちょっとだけ前くらいになるでしょうか。ファミコンやスーファミが全盛期の頃に「ゲームブック」というものがありました。“ありました”というのはおかしいかもしれません。注意して見ていないから気付かないだけで、今でも本屋に並んでいるかもしれませんし、何だったら新作のゲームブックだって出ているかもしれませんから。
この「ゲームブック」というもの、知らない人がけっこういるかもしれません。名前から類推して、「ゲームの情報を載せた本」や「攻略本」のようなものを想像されるかもしれませんが、全く違います。「ゲームブック」というのはひとことで言うと本の形をしたゲーム、“遊べる本”なのです。
ゲームブックとは
“遊べる本”と言われてもいまいちピンとこないと思われますのでもう少し詳しく説明しておくと、読み進めていく中で選択肢が提示されているので、そこで読者は自分で考え、自分の望む選択肢を選びます。例えば、以下のような感じですね。
あなたの目の前には犬・サル・キジがいます。そして今あなたはキビダンゴを持っています。さて、どうしますか?
3匹にそれぞれキビダンゴをあげる → 15ページへ
今は旅を急いでいるのでほうっておく → 43ページへ
僕は犬好きだ!犬にだけキビダンゴをあげよう → 106ページへ
このような感じに、選択肢ひとつひとつに「次はどこを読むか」が指示されていますので、それに従って続きを読むような形になります。自分の選んだ選択肢によってその後の展開が変わってくるような作りになっているのです。
ものによっては、巻末に「記入シート」のようなものが用意されているものもあり、物語を進めていくことで色々と変化していく自分の持ち物だとかパラメータ(体力がいくつか、とか)を記入しながら読み進めるものもあります。これが「ゲームブック」です。
なんとなくイメージはつかめたでしょうか。
ゲームブックを思い出したのは
さて、何故今このときにゲームブックのことを急に思い出したかというと、ゲームの情報サイト「4gamer」で以下のような記事が出ていたからです。
内容としては、日本でファンタジー小説やゲーム関連書籍の流行に一役買ったグループSNEの安田均さんを交え、海外でゲームブックを生み出した方へのインタビュー、さらには「ダークファンタジーとは何か」ということについてフロムソフトウェアの方からもお話を伺っている、というものになります。
上記の記事内に出ている「火吹き山の魔法使い」。これも有名なゲームブックのタイトルなのですが、これを見てゲームブックで遊んでいた頃を思い出したんですよね。
学校とゲームブック
思い出した、とは言っても実は僕は「火吹き山の魔法使い」を遊んだことはありません。ただ、本屋に置いてあるのはよく見ていたので、そのタイトルがとても頭に残っていたのです。
僕が当時やっていたゲームブックは、ほぼ全部日本産のゲームブック。それも、コンピュータRPGをゲームブックに落とし込んだものを遊んでいました。「ドラゴンクエスト」だとか「ゼルダの伝説」とかのゲームブックが当時あったように思います。
なんでゲームブックをやっていたかというと、「学校でゲームをしたかった」からです。当時は携帯ゲーム機といったら、弁当箱のようなゲームボーイくらいしかありませんでした。そして当たり前ですが、ゲーム機を学校で遊んでいたりしたら怒られます。反省文です。なんだったら取り上げられます。
(※今はどうか知りませんが、こういうのが当時の当たり前です。ちなみに取り上げられたものは「卒業するときに返してやるからな」というのが先生の常套句でした。実際にはもっと早く返してもらっていたのかもしれませんが、僕は取り上げられたりした経験がないので分かりません。)
「なんとか学校でもゲームで遊べないものか」と考えた結果、ゲームブックを持ち込んで遊ぶことにしたのです。これなら傍目にはただ本を読んでいるようにしか見えませんからね。もちろん授業中ではなく、休憩時間にですよ。
(本を読みながらちょこちょこ紙に何かしら書き込んでいるので、若干怪しいことこのうえないが……。)
まぁそんなに長い期間ではなかったのですが、一時期はかなりハマってました。もっとも子供のお小遣い内から買うので、そんなにたくさん買えたわけでもないですけどね。
4gamerの記事を見たおかげで、本当に久しぶりにゲームブックのことを思い出しました。
今は携帯ゲーム機が充実していますし、そもそもスマホなどでゲームができる時代です。わざわざゲームブックのようなものでゲームをしなくても、いくらでも外でゲームができます。しかし、こういう形でゲームをしていた人がいる時代もあったんだと知ってもらえれば、と思います。
僕は分岐型のビジュアルノベルゲームが好きですが、それは案外、ゲームブックで遊んでいた経験からくるものなのかもしれません。
もし興味がありましたら、ゲームブックのことを調べたり、ご自分で遊んでみたりしてみてください。
今回はこのへんで。
それでは、また。
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