明け方 やまのは やまぎは
深夜の電話は、もう何が起こったのか直ぐに分かる。音が鳴った瞬間、表示された名前をみた瞬間。
毎回覚悟を決めて、どうした?大丈夫?と問う。
闇の中で母の第一声を注意深く、聞く。
泣いていないか、緊迫度具合は。
緊急搬送はされたが、今回もなんとか大丈夫だった。凍てつく深夜に父の身体と母の心を支えながら病院を後にする。親子3人。私達は3人家族。
温かい身体を実家に送る。
気をつけて帰れ
そんな父の言葉に素直に返事をする。
気をつけて。私が我が子に言う言葉と同じ言葉。
気をつけて。親も子も同じ気持ち。
もうすぐ夜が明ける。