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東京と京都で占ってもらった時の話

東京タワーの一角で占いをしてもらった事がある。今後の人生という漠然としたお題でお願いしたから、易者の方もやり難かったんだろう、占いはそこそこで終わり、後は易者の方の恋愛観をふんふんと聞いていた。

女はね、もういいんだよ。めんどくさいから。すぐ奥さんと私とどっちが大事って聞くから。
修羅場を経験されたのかしら。

話の最後に、結局あなたは熟したんだよ。と言われた。意味のあるような言葉のような、定番の締め方のような。
胡散臭くて、男臭い方だった。

・・・

京都の街中、とあるバーで占いをしてもらった事がある。私は客のはずだが、結構けなされた挙句、京都で観光して占いですか。いいご身分ですなあと言われた。
亀みたいな細い目が、懐かしの冬彦さんを思い出させる人だった。
バーから出る時にチラリ振り返ると、先ほどとは全然違う満面の笑顔で若い女の子を占っているのが見えた。白けて京の街を歩いた。

双方、強烈な印象が残っている。
東京の方には、もう一度会ってみたい気がするが、京都の亀野郎は二度とゴメンだ。

・・・
亀曰く、私は嘘が上手らしい。
その時はドキッとしたけど、そんなの「みんな」だろう。