大人になったら何になりたいか
遠い昔、保育所の先生に「大人になったら何になりたいか」を書くようにいわれて戸惑った記憶がある。
みんな、なんやかやとなりたいものを書いていることが私を驚かせた。
少し、先のことを考える恐怖も感じたように思う。
なりたいものなんてなかった。
考えたこともなかった。
保育所は大好きな場所で、毎日通って楽しかった。そんな時間をただ過ごしていたから。
悩んで悩んで、困って。
誰にも何も突っ込まれないように「およめさん」と嘘を書いた。私の精一杯。
先生はニコニコ顔でお嫁さんになりたいのねーと言った。
夕方、お迎えに来た母に、嫌々お嫁さんって書いたって言ったら楽しそうに笑って、バス停横にあるお肉屋さんで揚げたてのコロッケを買ってくれた。
この出来事は定期的に思い出す。
お嫁さんにはなった。
なったはなったけど、、さ。
追記
noteを初めてからこの問いに戸惑った経験を持つ人が結構いることを知りました。
おお、仲間よ。
今の私の言葉で、当時の違和感を表すなら「そんなものは無い、今聞くんじゃねえ」というところでしょうか。
優しい保育士のみなさんすいません。