ハクセキレイのお話 ①
ある雨の日。
自宅にいたのですが、ピチチイ、ピチチイと何かを訴えるような鳥の鳴き声がしたので、何事かと外に様子を見に行きました。
すると、自宅の雨どい近くに、雨に打たれてまるで毛玉のようになっているヒナが3羽いたのです。巣ごと、雨で流されてしまったのでしょう。
訴えていたのはきっと親鳥ですね。すぐ近くの電線にとまって、こちらの様子を見ています。
ヒナは全然動かないので、もうダメかなと思ったのですが、そのままにはしておけませんでした。野生のヒナを保護するのは、良くないことなのでどうしたものかと気持ちも揺れましたが。
軍手をした手で、ヒナをそっとバスタオルの上に置くと、小さく小さくチイと鳴きました。
カーポートの中で四苦八苦の私です。
とにかく寒いだろうと思って、タオルで水気をとりました。その後に、新しいタオルでこんもりと包んでそのまま放置しました。
何となくですが、ヒナにとって落ち着く時間が必要では、と思ったのです。
それと、少し矛盾してますが、生命力の確認もしたかったんです。
30分後に様子を見にいくと、タオルが汚れていました。下痢ですかね、黄緑色っぽい水っぽい糞がたくさん。そして、生きています。よし。
温かくしてあげたかったので、ドライヤーを持ってきて、温風をあててみました。雨に濡れて鶏ガラ状態だった身が、どんどんふんわりとぶわぶわになっていきます。
おまけに温風が気持ち良いのでしょうか。ヒナは大人しくドライヤーにあたっています。
たまにドドっと水糞。ドライヤーぶおーーーー。
見た目はすっかり、元通りになりました。チイ。
よかった。
でもこれ以上は、人間の臭いをつけてはいけないと思い、バスタオルを簡易的な巣にして、野良猫のこない場所に3羽を移動しておきました。
まさかの続く。