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環境保全はずっとずっと

会社には水質、大気、騒音・振動などの法的規定値を守って、環境に配慮しなければならない設備が多くある。
私はそれらの届出や自主管理、教育などが正しく行われているかを定期的に監査する業務にも携わっているので、そんな時はドカジャンを着込み、安全第一ヘルメットとともに数日間、駆け回ることとなる。

先ずは書類審査。
誤魔化す事が大層みなさんお上手だ。いや、その説明嘘だろう。と聞きながら思うが最後まで聞く。
よく分からない白熱の議論がトルネードのごとく舞い上がっていくが、キリがない。
議論という名の時間稼ぎをしているのはわかっているので、ニコニコ笑って「分かりました。では、この書類を確認させてください」と切り込めば一発で終わりだ。必要項目が正しく記載されている管理者押印付きの書類を出してくれないか。

無いなら、淡々と改善事項として指定用紙に記載していく。泳いだ目で「それは現場にあります」と言われれば、では行きましょうか現場とやらに。

そして現場審査。
「現場にある書類」はあるにはあったけど、情報が古く、最新のものに更新されていないので改善事項にあげておく。こんなものだ。

審査ルートを外れて、ひょいと工場裏を見てみると分別されていない廃棄物が隠してある。んー、これはいけませんね。と整理整頓を指示する。

塗装現場に入ると途端に鼓膜が痛くなる。実は今も痛い。塗装工程の中でシンナーをエアーで、かけているのだが、その圧が高すぎるのだろう。ものすごい高音が発生している。耳栓職場でも無いのに。他の監査員とともに現場の課長に注意を促す。人体への健康被害をなんと思っているのか。生産第一以外に興味がない我が社の情けなさを改めて思い知る。

熱処理職場、重油タンク。
書類審査だけにならないように。
法令違反にならないように。
それは、あるべき当たり前の業務の形、労災がないように、自然を守るように、働く人が健康でいられるように。時には相手の迫力や肩書きに怯むのだが、やらなければならない。仕事だから。
皆さんが熱い気持ちで物を作っていることを尊敬しながら。

しかし、耳が痛いぜ。労災じゃなかろうか。