玄関を開けたとたん、なだれこんでくる
この街の喧騒にはいつも少し驚かされる
どこにいるかもわからない鳥の声
混ざりあったノイズ、自動車の音
雑多な音を無意識にシャットアウトして
習慣化した足取りで歩く

何も考えずに無機質な駅で
無機質な車に乗り込む
吊り革や金属のバーは
いつも少し躊躇ってからつかむ
空いているときは
バーに背中を預けて身体を支える

ときどき乱れる
規則正しいような
正しくないような揺れに
何ともいえない人いきれに
ほんの少し苛立ちながら
変わりようもなく朝がある

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石佳の日常 (詩人)
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