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原作が続いているアニメ作品の「おわり」の難しさ −マケインは最終回を2回やった−
マケインは最終回を2回やった
「負けヒロインが多すぎる!」の11話が最終話の作りになっている、という話を前回しましたが、やっぱりこの作品、最終回を11話と12話の2回やった、と考えて良いと思います。
12話は、原作にはないオリジナルストーリーだそうで、しかも原作者が原案。さらに原作小説のタイトル原案がサブタイトルになっているらしい、つまりこれは正式な別ルートエンド。
小学館ガガガ文庫(小学館)のライトノベルが原作のテレビアニメ「負けヒロインが多すぎる!」の第12話「俺はひょっとして、最終話でヒロインの横にいるポッと出のモブキャラなのだろうか」がアニメオリジナルエピソードとなることが明らかになった。原作者の雨森たきびさんの原案によるオリジナルエピソードで、9月28日深夜にTOKYO MXほかで放送される。
最後の解釈は受け手の想像に任せる形。それをとても上手な演出と作画で締めくくるという粋なラストで、原作が続いているにも関わらず、アニメ作品としてちゃんと終わらせた、というのは私としてはとても嬉しかったです。
これなら2期をやることになっても不自然ではない、というのも上手いな〜、と思います。
こんな作品見たことないです。傑作だと思います。
ただ、作中であれエンドカードであれ、「おわり」をちゃんと表現する作品は、「やり尽くした」というスタッフの気持ちの表れだと思っています。
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— TVアニメ『負けヒロインが多すぎる!』公式 (@makeine_anime) September 28, 2024
全12話 ご視聴
ありがとうございました💔
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アニメ #マケイン の放送は以上となります!
3ヶ月間、マケイン達の負けて輝く青春へ
たくさんの応援をありがとうございました❤️🩹
🖼最終話エンドカード: 川上哲也 (A-1 Pictures) pic.twitter.com/8OycLu0jvC
原作が続いているアニメ作品の「おわり」の難しさ
今期、最後まで見たのは、「負けヒロインが多すぎる!」以外ですと、
「推しの子」
「しかのこのこのここしたんたん」
「小市民シリーズ」
「逃げ上手の若君」
「ラーメン赤猫」
でした。
ちなみにどの作品も原作はまだ続きがあると思います。
「しかのこ〜」は惰性で見てた感じなので置いておくとして、ちゃんと気持ちよく終わったのは「赤猫」だけなんですよね。
「小市民」は2期制作が早々と発表されてまだよいのですが、1期ラストは「え〜」という終わり方でした。
そして「若君」は不完全燃焼感が大きい。なぜなら主人公、北条時行と、あれだけ「得体の知れない巨大な敵」演出で盛った仇敵、足利尊氏との戦いに至っていないから。
落ち延びた王子、時行が、巨大な敵、尊氏に逆襲して一泡吹かせるので締めくくってほしいじゃないですか、やっぱり。
だからと言って2期を期待をしません。というのは、この作品、作画や時代考証、脚本その他はともかく、演出の差が回によって激しいと思うのです。最初の方の凄さで最後まで突き抜けてくれたら傑作だったと思うのですが。
「推しの子」は前にも書きましたが、原作が原作だけに仕方ないとは思います。しかし、それでもやっぱり「え〜、ここで終わり?」というかなりモヤモヤする感じになりそうです。
原作が続いている作品をアニメとして終わらせるのって難しいですよね。
例えば、2期が発表された「葬送のフリーレン」は、主人公の最終目的が「北の方にある黄泉の国(?)で想い人と再会する」ということが明白なので、いくらアニメ化しても原作が終わるまで、1期同様「『俺たちの冒険はこれからだ!』エンド」しか期待できないわけです。
原作を読んでないアニメだけ見ている人には結構辛いんですよね、これ。
一方で、うまくやったなあ、と思うのが「ぼっち・ざ・ろっく!」です。
原作のエピソードをうまく調理して傑作にしました。
明確な「終わり」感があったし、やり切った感がありました。
私は2期をやっても見ないかもしれないというほどに感動したラストでした。
原作が4コママンガということが幸いしたと思います。エピソードの再構成がしやすいからです。
続きを作れば良いというものではない
2期3期でがっかりした作品ってありませんか?
2期のラストで「おわり」をしっかり入れて、スタッフの完全燃焼を感じた、「ヤマノススメ」の3期は、明らかにスタッフの熱量が足りないと感じました。
それは「ゆるキャン」3期も同じ。2期までのスタッフは劇場版でオリジナルストーリーの未来の話までやってしまって、やり尽くした気持ちだったのだと思います。それでたぶん降りたのでしょうね。それで3期は「ヤマノススメ」の会社と監督が作ったけれど、やっぱりイマイチに感じました。
1期制作側と資本側が揉めて、どうも資本側のゴリ押しで作った「けものフレンズ」2期なんて、見れたものじゃなかったと思っています。
つまりいくら原作が続いていても、受け手が望んでも、資本側が乗り気でも、スタッフの熱量が尽きたのであれば、続編には安易に手を出すべきじゃないと思います。
だから「負けヒロインが多すぎる!」について、スタッフの皆さんのやる気がもうなければ無理に2期を作る必要はないと、私は思っています。
原作はまだ続きがあるから期待されるのは仕方ないと思うのですが。
なんにせよ、今期もアニメ制作スタッフの皆様、お疲れ様でした。楽しませていただきました。