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TRN VX Pro+(Plus)はあえて「樹脂筐体」を採用しなおした、手に取りやすい価格でソリッド高音質なイヤホン #PR

TRN VXシリーズ

コスパよくいい音を届けている中国のイヤホンベンダー(工場)TRN。

最近はTRN Conchの価格破壊や、TRN Orca、TRN Medusaといった案外良い音の1DD機、やはり多ドライバ価格破壊のST7などが記憶に新しい会社です。

そのTRNから2024年07月に発売されたイヤホンが、VX Pro Plus です。
今回はAliexpressのTRN Official StoreからVX Pro Plusのレビュー用サンプルの提供を受けることができました。
提供といっても、音質部分の記述に忖度はないことをここに申し上げておきます。
音質の評価だけ知りたい方は、目次から音質傾向・評価に飛んでください。


このTRN VXというイヤホンのシリーズは、まず片側6BA+1DDという構成で金属筐体の、初代TRN VXが2020年の7月に発売されました。
TRN VXはTRN V90というイヤホンのアッパーバージョンという立ち位置でした。どちらも2024年現在は終売となっています。

次いでTRN VX Proが2021年7月に発売になり、8BA+1DDの構成へと進化。
さらにVX ProはDD部分が、デュアルマグネットCNTダイナミックドライバー(二重磁気カーボンナノチューブ振動板)を採用しています。
VX Proは現在でも販売されています。

TRN VX Proは、ややVX無印よりも高音域偏重の傾向ながら、高音域のきらびやかさを感じられ、非常にスピード感があり、ソリッドで、切れ味のいい音を鳴らすイヤホンでした。市場での評判も良く、2024年現在でもファンがいるイヤホンです。

8BA+1DDといった超多ドライバ構成でありつつ、販売価格は発売時、1万円ほど、2024年7月26日現在はAmazonで8350円で販売されています。
その価格で、このドライバ数で、さらに金属筐体である、音も好きな人にとってはたまらなく優れている、という時点でコストパフォーマンスが非常に高い製品だったわけですが、1万円近い価格というのは、中高生やオーディオ初心者にとっては高い出費ですし、大人にとっても、それなりに覚悟して買わなければいけない価格でもありました。

TRN VX Pro+(Plus)

めちゃめちゃ映り込んでしまう加工で、一見金属に見えるのですが、樹脂筐体。

2024年7月に発売になったTRN VX Pro Plusが今回の話題となる製品なのですが、前作VX Proと同じ8BA+1DDの構成で、DD部はCNTから、ベリリウムコート振動板の10mmダイナミックドライバへ変更となっています。

BA(びーえー。バランスドアーマチュア)ユニットは、中音域にBellsing製造と思われる50060を2基並列に配し、クリアな中音域を実現しています。
また高音域にはなんと6つのBellsing 30095を並列に配置することで、鮮明で歪みの少ない高音域を実現しているとみられます。
このBAの配置は、VX Proを踏襲しているものと思われます。

色はブラックとシルバーが存在し、私が提供を受けた製品は「ブラック」です。

イヤーチップはTRN TIPSはMサイズのみ付属し、クリアの「バランスドイヤーピース」のS, M,Lの3サイズが付属します。
ケーブルはTRN Orcaなどと同じ編み込みのタイプで、イヤホン側はQDC(TRN的なの表記では2PIN-Sと呼称)でL字の3.5mmプラグケーブルが標準のケーブルとして付属しています。
(なお、標準ケーブルのことをストックケーブルと言ったりします。ストックには在庫の、持ち合わせの、標準の、ありふれた、陳腐な、といった意味があります)

TRN VX Pro Plusの一番の違い、それは筐体が金属筐体から樹脂筐体になったこと、それに伴い安価になった、と言うに尽きます。

金属筐体と樹脂筐体の違いについて、簡単に箇条書きで説明します。

イヤホンの樹脂筐体と金属筐体の違いについて

樹脂筐体の特徴

  • 金属筐体にくらべると安価になる

  • 金属筐体にくらべ軽量になる

  • 筐体の形の自由度が高い

    • そのため耳へのフィット感が高い筐体のイヤホンもある

    • 耳の形に応じてオーダーメイドするカスタムIEMは総じて樹脂筐体となる

  • 柔らかい音の響きや、響きが抑制された音を実現可能

  • 反面、プラスチックの響きが音に乗ってきたりする可能性も

    • その場合(私は)安っぽい音と感じたりすることもある

  • イヤホン内で発生する振動を抑え込むのが難しいことがある

金属筐体の特徴

  • 高価になることがある

  • 重たくなることがあるので、嫌がる人がいる

  • 固い音の響きになりやすい

  • 響きやすい

  • スピード感のある音になりやすい

  • 重たい音、沈み込む音を実現しやすい

  • 音の余韻が耳の外の方向へ広がっていくような感覚が得られることがある

    • イヤホンの内部で発生する振動を利用して響かせることができる

  • 金属と一言で言っても、真鍮、アルミ、亜鉛合金、チタン、といった素材によって音の余韻や響きなどがだいぶ異なる

  • 内部でドライバを自由な位置に配置するためには、内部でさらにプラスチックの部品などを使って工夫する必要がある必要が生じやすい

  • わたくし、せきよぅは金属筐体のイヤホンの音が大好き

金属筐体と樹脂筐体はどちらが優れているかは、一概には言えず、一長一短があります。
樹脂筐体でも出来が悪ければ付帯音が発生し、中高音にプラスチックらしいカサカサした響きが入ってしまったり、低音域中心にビリビリとしたビビりが発生したりするものもあります。
出来が良い樹脂筐体のイヤホンは、響きを抑え、無響室で聴いているかのように、音が響かないものもあります。
また、樹脂の内部が空洞であるか、樹脂を埋め込んで詰めてあるか、などでも変わってきます。

金属筐体には響きの良さ、振動を重たいもので抑え込む、という利点があり、高価になりやすいという特徴があります。
なお、私は全金属筐体が音見た目出ざわりともに、フェチだったりします。(余談:intime の初代碧の真鍮筐体の重たいイヤホンが今の技術で出ないかなあ。DD型には重たい筐体が正義だと思う!)

VX Pro Plusの筐体は樹脂(プラスチック筐体)のため、やはりVX Proより半分程度まで軽く感じます。
いままでのVXシリーズで重さがネックになっていた人には手が出しやすくなっています。

TRN VX Pro Plusは低価格にするためなのか、音作り的な狙いもあるのか、今回は今まで金属筐体だったTRN VX、TRN VX Proとは違い、樹脂筐体になっていること、そして箱の大きさや、付属物などはOrcaと同じグレードまでコストダウンされていることによって、新発売直後の時点でも5,590円(送料込)という爆安販売価格を実現しています。(なお、価格は参考価格です。Amazonでの取り扱いの際はもう少し上がるだろうと思います)

Aliexpress TRN Official Store のVXPro+のページ

TRN VX Pro Plusの音質傾向と評価

TRN VX Pro Plusの音質傾向は、金属筐体と樹脂筐体の違いが明確に反映されています。また、低音域の押し出し感もCNTとベリリウムコートで異なります。VX Proに比べてPro Plusはスピード感が控えめで、よりバランスの取れた音になっています。VX Proに比べ、樹脂筐体のためか、柔らかい音質です。それでも高音域にはTRNらしい主張がありますが、ドライさは緩和されています。ただし「瑞々しい音」という表現は適切ではありません。

全体的には低音と高音が強い系統のいわゆる「ドンシャリ」に属すイヤホンですが、低音の強さはKZの低音系イヤホンのような感じではなく、もっとスッキリ、クッキリとしている方向です。

TRN ST7と比較すると、VX Pro Plusの方がよりソリッドで硬い音です。特に中高音域の分解能はより高いと言えます。

VX Pro Plusはしかし、樹脂筐体由来の空気感の柔らかさがあり、完全にソリッドな音とは言い切れませんし、音空間に乗ってくる響きのクリアさ、明瞭さがやや劣り、共鳴や残音によって定位感や音像が曖昧な気がするのが私は気になります。

私の好みは超ソリッドでトランジェント(音の立ち上がり立ち下がり)が速い音です。その好みの傾向が過激な点を考慮すると、VX Pro Plusの音は一般的に見れば、むしろ好まれる方向性の可能性があります。
また、一般的な日本のSONYやオーディオテクニカ、final E 2000などのイヤホンに慣れている方には、VX ProよりVX Pro Plusの方が好まれる可能性があります。

VX Proや、金属製のハイブリッドイヤホンを使用し、高音域が刺激的だ、音が冷たすぎる、固すぎる、と感じていた人におすすめです。
また、ST7やMedusaでは音が柔らかすぎると感じる方には、ちょうど良いバランスです。5600円程度という参考価格を考えると、非常に良い音質だと思います。

個人的にはVX Pro PlusではなくVX Proのほうが性癖に刺さる製品だったと言えますが、十分納得できる音ですし、多くの人が手に取りやすい価格であることや人による好みの問題もあり、悪いとは言えません。

ST7を既に持っている方がVX Pro Plusを購入するか迷っている場合、ST7が気に入っているならば、VX Pro Plusは味変程度になるかもしれません。ST7では響きすぎる、もう少しソリッドになってほしいが、金属筐体の硬さや冷たさは苦手という人にはVX Pro Plusが最適です。

とにかく映り込みがすごい。鏡面仕上げ並。とても綺麗ではある。

付属のケーブルはやや貧弱なので、より太く純度の高いケーブルに交換すると、中高~高音域の滑らかさが向上します。テストはJIALAI JLH3で行い、高音域が滑らかになる実感が得られました。

低価格ミドルクラスか入門クラスとしては上々の出来のイヤホンです。TRN VX Pro Plusはリケーブルすることで、より実力を発揮できるでしょう。本体にかけられているコストを考えても、ケーブルの交換は推奨です。

ただ、TRN VX Pro Plusは、TRN VX Proの置き換えとなるものにはならず、VX Pro Plusというネーミングには疑問が残ります。VX Eliteといった名前が適切だったのではないかと私は思います。

TRNはパッケージング含めてバランス取って絶対一定価格以下を維持するゲームでもしてんのだろうか?
そうです、TRNはお求めやすい価格で、高音質を提供することを使命にしているメーカーだと思いますし、以前尋ねた時もそう言っていました。

VX Pro Plusはいろいろと書きましたが、価格・音質・音質のバランス・をきわめて高い水準でバランスをとって良い音を出してる良イヤホンだと思います。これからベーシックかつ高音質で、高音域までよく出ている音で、装着感も音も聴き心地のよいイヤホンを選択したいにとっては、良い選択肢になるでしょう。あくまで樹脂筐体になったことで私の好みではなくなったというだけで、非常に好まれるイヤホンだと思います。

TRN VX Pro Plusのお買い求め

TRN Official Store Aliexpress店にて、2024年7月26日現在は5,590円で販売されています。価格は変動が大きいようです。参考まで。

(リンク埋め込むと、タイトル未設定ってなるの、どうにかならないですかね‥‥)

後日Amazon取り扱いが始まったら追記予定です。

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