自分の履歴書⑩ 大手企業に入社、出だしから失敗
この記事は、大手IT企業に入社して早々に孤立する記事です。
理想を絵に描いたような職場
オフィスに足を踏み入れた時、皆幸せそうで自由で仕事を楽しんでいる、というのが第一印象でした。ウォータサーバーがあり、お菓子の自販機があり、誰も使っていないランニングマシーンがある。広いデスクに座り心地の良いイス、自由な服装でヘッドフォンで音楽を聴きながら仕事をしている。ミーティングは会議室に集まるものの、床に体育座りをしながら聞く人もいる。社員の誕生日には、デスクにプレゼントが埋め尽くされ、メッセージ入りのTシャツが送られる。大手ってすごい、、こんな職場で働けることが誇りに思えました。
ハッピーな職場で孤立する
皆スマートに仕事をしていました。デザインルールやマナーもきちんと定義されていました。そんな中で、私のレベルはまだまだ低く、採用した期待値とはかけ離れている、と早くも指摘を受けてしまいました。幸せそうな職場で少し油断してしまったのかもしれません。そもそも私のデザインレベルも低かったように思います。上司とはいろいろと指摘を受ける日々が続き、よく揉めていました。
このような状態だったため、徐々に周囲の社員が私と関わらないようになりました。どちらかと言うと、私自身が勝手に身分不相応だと思い距離を置くようになっていました。気づくと私は社内の催し物などにも参加せず、遠目で眺めるようになっていました。
強者の立場での戦い方に納得ができない
怒られたり孤立することは仕方がない、と割り切ってそこまで落ち込んでいませんでした。とにかく評価が低い中でも、多くの提案はしてきたことは自負しています。一番悔しかったのが、提案したUIが却下されたにも関わらず、他社が全く同じUIをリリースすると、そのUIが社内で別のデザイナーが作成して評価される。この部署のデザイナーは「良いUIの基準」を持っていないと感じました。だから、他社が世に出して評価されたデザイン=良いデザインと判断されるのです。
ランチェスター戦略での強者の戦い方は、弱者のやり方をマネる。正しい判断かもしれませんが、私には納得できませんでした。それはデザイン力ではない、パクり力だと。ユーザー数が多いサービスであるがゆえの保守的な判断。もちろん、すべての部署がこのような状態ではないと思います。ただ、私には大手企業でのデザイナーは向いていないと思い始めていました。
子会社に出向となる
このような状態で一年が経過し、自らの意向で転職しなければならない、、と考えていました。そんな矢先での急な子会社への出向依頼でした。憧れの企業で見た現実と、私自身のスキル不足の状況から、子会社への出向でむしろホッと肩をなでおろすような気持ちになりました。ずっと憧れていた企業に入社するも何一つ貢献できなかったこと、こんな私でも子会社で少しでも力になれれば、と思いました。
社会人30代中盤その2へ続きます
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