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自然も守る滋賀工場で親子トンボ観察会を開催しました

こんにちは。積水樹脂グループ公式note編集部土井です。今回は積水樹脂のサステナビリティの取組みの中で「生物多様性の保全」についてご紹介します。


滋賀工場の自然

積水樹脂にはいくつか工場がありますが、一番大きな工場は滋賀県蒲生郡竜王町にある滋賀工場です。
滋賀工場では全国的に激減している「貧栄養湿地」を多数残しており、そこには環境省や滋賀県において絶滅危惧種に指定された希少な動植物が多数生息しています。
下記写真は滋賀工場の奥にある性能確認試験走路「道夢道」ですが、
その右奥に自然豊かな湿地があります

貧栄養湿地:湿地は、水と陸の接点にあり淡水や海水によって冠水、あるいは覆われる低地です。 その特有の環境から湿地特有の動植物を育み、多様な動植物の生息・生育の場となっており、生物多様性の保全の上で極めて重要な生態系 です。湿地は温室効果ガスの排出を安定化させ、気候変動の影響を軽減するのに重要な役割を果たします。「貧栄養」と聞いてよくないように思うかもしれませんが、湧水など自然の水域でプランクトン等も少ない状態のことです。

滋賀工場では2013年度に環境省の絶滅危惧種に指定されているヤマトサンショウウオ(旧:カスミサンショウウオ※)の卵を確認したことをきっかけに保全活動を強化しました。現在もヤマトサンショウウオの定期的な産卵調査や産卵水域の保全を継続して行っています。

また生物多様性の保全活動をすすめるにあたり、2015年には専門家による生きもの調査を行い、その結果、敷地内において絶滅危惧種33種を含む、植物239種と動物84種の生息を確認しました。それから7年が経過し、2022年度には第2回目の生きもの調査を行いました。その結果、動植物の種64種、絶滅危惧種4種が新たに確認されました。

都市開発や里山の荒廃により生きものの生息環境が悪化する中、企業緑地が生きものの生息地として重要な役割を担っています。この希少な自然環境を未来につなげるために、継続して生物多様性の保全につとめています。

(※ 中部地方から九州北部に分布するカスミサンショウウオは2019年に9種に細分類され、愛知、三重、岐阜、滋賀、京都、奈良、大阪に分布される種はヤマトサンショウウオに分類されることになりました。それに従い、当社としても表記を「ヤマトサンショウウオ」としています。)

トンボをテーマに自然環境を守る活動

水辺で生まれ、大人になると陸で生活するトンボは環境の良さを知る生きものとされ、トンボを調べることでその場所の自然環境を知ることができます。
日本で見られるトンボは何種類あると思いますか?

約200種です。

その中で滋賀県で見られるトンボは約100種、
現在滋賀工場では55種類のトンボを確認しています。

私はそもそもトンボの種類なんて3つくらいしか知りませんでした。。。

積水樹脂では環境の良さを知るトンボが育つ環境を守ることは自然環境を守ることにつながると考え、2016年からトンボをテーマに自然環境を守る活動を行っています。


従業員の家族が参加!トンボ観察会

この豊かな自然環境を従業員や従業員の家族にも知ってもらいたいとはじめたトンボ観察会。
今年は7家族22名に参加いただきました。
最初にサステナビリティ推進担当取締役佐々木よりお話がありました。
(でも子どもたちにはお父さんお母さんより年上のおじさんだな、くらいの認識じゃないかな?と思います)

次にお父さん、お母さんの働く職場の説明を聞き、(資料にもきちんとフリガナなどつけています)

滋賀工場の生きものを守る活動の話や


トンボ博士 牛島さんにトンボのお話を聞いてから出発!

熱中症予防に飲み物を飲んで、塩飴なども持参しています。

出てすぐ捕まえた!

日本一小さいトンボ、[ハッチョウトンボ]をはじめ10種類のトンボや他の昆虫を観察しました。ハッチョウトンボはなんと体長約2㎝!

見てみて(小さい!)

私もはじめてこんなに小さいトンボを見ました。オスとメスでも全然違うのですね。赤いのがオスです。

左がメス、右がオス

たくさんいるので大人も子どもも気づいたら夢中になって観察しまくりです。

トンボ以外も捕まえたものの中には滋賀県で見られるのは積水樹脂滋賀工場だけかも?昆虫の研究者でもこのカマキリ見たことない人いっぱいいるよ!などを牛島さんに教えていただき、子供たちの目は終始キラキラしていました。

安全・品質・環境推進室 稲垣さんに話を伺いました

このイベントの企画担当の安全・品質・環境推進室 稲垣さんにお話を伺いました。

びわ湖でのトンボ調査の様子

Q 稲垣さんは普段はどんな業務をされているんですか?

主に積水樹脂グループ全体の環境データの管理業務をおこなっています。
また重要な業務としては積水樹脂の生物多様性保全(生きものを守る活動)にも取り組んでいます。
普段勤務する滋賀工場ではビオトープの保全管理を行い、またカメラや虫取り網を持ってビオトープの様子を定期的に見て回るのも仕事の一つです。
現在滋賀工場では地域の企業とトンボをテーマに滋賀県の生物多様性保全活動(トンボ100大作戦!~滋賀のトンボを救え!~)に取り組んでいるので、連携して展示会やトンボ観察会を行なっています。
この生物多様性びわ湖ネットワーク(BBN)の活動は企業6社を中心に様々な主体が連携し、滋賀県で広く生物多様性の保全を推進するつながりです。

滋賀工場内でのトンボ観察

<安全・品質・環境推進室 宮原室長より>
この活動をはじめた当初は工場敷地内で虫取り網を持つ稲垣さんに、みんな「??」という感じだったようですが、今では当たり前の風景になっていて、当社の環境活動の取組みの浸透を感じます。

Q 工場に伺ってもこのような奥まで入ったことがなかったので、トンボやカマキリ、バッタなどがたくさんいたことに驚きました。参加者の感想はいかがでしたか?

子どもたちからは “楽しかった!”“来年も行きたい!”という嬉しい感想を頂きました。
参加して頂いた親御さんからは、今まで虫をさわれなかった子どもがこの観察会を機にさわれるようになった、普段の生活のなかでトンボに興味をもつようになった、と聞いています。
そして、「長く滋賀工場で働いているのにこんなに小さいトンボ(ハッチョウトンボ)を初めて見た!」と驚かれました。

この活動が目指すところは“自然環境に関心をもつきっかけづくり”としています。その関心が自然環境の変化の気づきへとつながり、また環境保全につながると考えています。

Qこのような活動は一般の方も喜びそうな気がするのですが、従業員と家族対象のものだけでしょうか?

毎年、地域の図書館と共同でトンボ観察会を開催しています。これは一般の方も参加可能で、リピーターの方も多く、図書館の方からは募集を始めるとすぐに定員になってしまう人気のイベントだと聞いています。企業の敷地ではありますが、この積水樹脂の湿地とハッチョウトンボが地域の方にとっても特別な自然環境であってほしいと思います。
今年の取組みは滋賀報知新聞でも紹介されました→こちらから

7月に開催された図書館と共同でのトンボ観察会

参加された皆さんの笑顔がとてもいいですね。私も工場に伺ったことはあれど、ここまで奥に入ったことはなく、参加してとても楽しかったです。
ありがとうございました!

参加された皆さん

私も久しぶりに長靴はいて参加しました  広報担当土井


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