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自由律俳句集刊行記念期間限定日記

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句集刊行記念の期間限定日記です。
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2024年5月の記事一覧

2023.05.25『まだ考える』

くす玉の中身を考え続ける。
様々なものが思い浮かぶだろうが、これらは4つに分類される。

①固体
木の実、ひとし君人形、びっくりドンキーのメニュー、メントス

②液体
硬水、結露した水分、秘伝ソース、川越シェフの水

③気体
高原の空気、カレーの匂い、夕立が降り始めた時の香り

④その他
思い出、声、希望

これらも分類する必要がないのに分けてみる。すると少しだけなにかやった気持ちになれる。

2023.05.24『それでも』

それでもくす玉の中身を考える。

遺言状
実印
自転車の鍵
人間ドックの結果
しその葉
パチスロ店のティッシュ
コートの予備のボタン

こうして考えたものが何かの素になる。そう信じていないと消えてしまうだろう。

2023.05.23『良かったことはこれといってない』

たとえばくす玉が吊るされていたとする。
何かの式典で割られるものであろう。
ここで考える。
「あの中に何が入っているのだろうか?」
普通は何かメッセージが書かれた垂れ幕と紙吹雪だ。しかしこのくす玉はそうじゃないかもしれない。何か別のものが入っている可能性がある。そう考える。
その繰り返しで生きてきた。良かったことはこれといってない。

2024.05.22『テーマ2』

テーマがある場合、自分なりの定義を書いてくるくるも多い。テーマが『海』の場合は「泳ぐところ」「生命の源」「家族旅行」などと書いてくる。これらは単なるフレーズや短文であって、残念ながら俳句になっていない。
それらはまだ俳句を作る上の素材の段階であって、そこから調理を行わなければいけない状態なのである。

2024.05.21『テーマ』

投句された句の選考をする。
投句の際にテーマがある場合、ある傾向が生じる。それはテーマから連想したことだけを書いてくる人が多くなるのだ。
たとえばテーマが『◯◯』の場合、「◯◯とは?」「◯◯といえば?」などの問いに対する回答を書いてくるのだ。
このタイプがかなり多い。今回も例外ではなかった。それでは句ではなく辞書である。

2024.05.20『中学校の友達』

夜、中学校の頃の友達に会う。
最も多感な時期を過ごし、良い時間も悪い時間も過ごした人たちである。今のことをあれこれ訊いてこないのでありがたい。
あの頃は国語が嫌いだったが、魯迅の小説に出てくる動物ことは覚えている。

2024.05.19『文フリ』

文フリに行く。
ずっと自由律俳句の句集の作業してて、別のことをしたかったが間に合わず。企画のメモだけが大量に残った。
次は盛岡の文フリに行くが、はたしてどうなるか。

2024.05.15『一般的にどうでも良いこと』

たとえば窓から外を見た時、ガラスが汚れているところを見つけて「汚れているなあ」と思ったとする。一般的にそれはどうでも良いことに含まれてしまうものだが、その気づきが作品になることが多い。可能な限り気づきに敏感でいたい。

2024.05.18『ゲラが届く』

夏に出る句集のゲラが届いた。しばらく推敲が続きそうだ。
私は基本的に自分の作品を読み直すことはない。出演したテレビも見ないしラジオも聴かない。
しかしゲラだけは見る。直したり、やはり直すのをやめたり、また直したりするのでぐちゃぐちゃになる時がある。それを知ってか知らずか担当の編集の方がゲラを2セット送ってくれた。これは助かる。

2024.05.17『ロケ2』

帰りの新幹線で投句されたものに目を通そうと思いつつ、多分結局寝るんだろうなと思っていたら、その通りになった。大宮過ぎてから見始めた。相変わらず定形俳句が一定数ある。とても良い俳句なのにこちらに投句してしまうと日の目を見ない。

2024.05.16『ロケ』

本日から青森でロケ。
『公募ガイド』で自由律俳句を担当していて、毎月大量の句が届く。青森までの新幹線ですべてに目を通す予定であったが、あっという間に寝てしまった。

2024.05.14『やがて話すことをしなくなった』

私は話すのが得意ではない。可能なら話したくない。面倒でもある。
たとえば『A』について話さなければいけない時、すぐに頭で組み立てて話すことができる人もいるが、私にはある程度の時間が必要で、考える時間が欲しくなる。
しかしそんな私を待ってくれる人ばかりではなく
やがて話すことをしなくなった。
そのような自分でもできる表現手段、あるいは伝達手段なひとつが自由律俳句である。

2024.05.13『認知度』

「自由律俳句とそれに関するエッセイ」を書く仕事をした時、自由律俳句の部分を「タイトル」と呼び、さらに「もっとおもしろいタイトルにしてください」と言われて、疲労困憊したことがある。
それは自由律俳句の認知度が低いことに気付かされ時でもある。

2024.05.12『断る』

仕事で自由律俳句を頼まれることがあるが、句を作って送ると「もっと笑えるやつをお願いします」と言われることがある。「そういうことではないので……」とやんわり伝えても相手に届くことはまずなく、結局その仕事を断ることになる。