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自分をごきげんにするひとりランチ

頑張っている自分に特大のご褒美をあたえるとしたら何だろう?と考えたとき「そりゃあ、、うなぎでしょ!」という心の声がした。


ひと月ほど前。
色々なことが重なって、もうやってらんない!って状態になっていた。


一体どうしたらこの大変な日々をやり過ごせるのか…と考えていたときに浮かんだのが うなぎ だった。

「そうだ!とびきり美味しいうな重を食べることを心の支えにしてもう一踏ん張りしよう!!」

そう決めた。

そしてようやく日常が落ち着きはじめたタイミングで

いざ!うなぎ屋!!ならぬ、ひとりで優雅なランチをするためにうなぎ屋さんへと向かった。



ひとりランチにうな重なんてとっても贅沢。ご馳走が食べられることにわくわくしつつ。

一方で今までうなぎを専門店に食べに行ったことがほとんどなかったので内心かなり緊張していた。


わたしが選んだのが明治五年創業の割烹料理屋だったという点も大いに関係しているとは思うけど、えげつないほどの老舗っていうのはなんというか格が違う。

普段高級な飲食店に行きなれていないために、少なからず…いやだいぶ
その場の雰囲気にのまれた。


店内の設えはシックでひかえめだけど華があり


従業員の仕事ぶりもさっぱりとして下町っぽいけどそつがない。


積み上げてきた店の歴史、風格、そして誇りみたいなものが店の空気に交じっていて圧倒されるものが確かにあった。


ちょっと贅沢ランチをしちゃおう♪という軽いテンションで行くにはハードル高めの店だったのかも。


だけどそこはさすがの老舗!
熟練の技によってつくられたうな丼は今までに味わったことのない感動をわたしにあたえてくれた。


このお店ではうな重ではなくうな丼でした。


うなぎって白身の魚だったんだ!ってことがハッキリわかるほどに身が厚くふわっとほろっとした食感に衝撃をうけた。


ほわほわ柔らかい身に対して皮の面は香ばしい。


タレはベタっとした甘さがなくてお醤油の味が立っていた。


ご飯はお米一粒一粒に張りがありながらもふっくらとした炊き加減。しかもずっとあっつあつ。

赤だしも白菜の漬物も山椒もすべてに品があって。見た目も美しく、清々しいほどに美味しい。もうあっぱれって感じだった。



あの店にいる間
緊張したり興奮したりをくり返して落ち着くことが一切なかった。


でもこれはこれで結果的にストレス発散になった。ひとりうなぎはわたしにとってさながら大冒険のようなものだった。

それまでためこんでいたストレスから一旦離れ、初めての体験にひとりで夢中になってわくわくしたりドキドキしたり。


日常とは全く違う世界に足を踏み入れて新鮮な感覚を得るっていうのは何とも言えない爽快感があった。



それに食べたい食べたいと望んでいたものを「よっしゃあ!思い切って食べにいこう!!」と自分にGOサインを出して実現させられたのも誇らしかった。自分を大切にできているようで自己肯定感がアップしたみたい。



ごきげんは自分でつくるもの。


それを実践できた大満足なひとりランチ、いや大冒険だった。


おわり


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