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自分に合った本えらび

普段小説をよく読みます。

こころの処方箋のようなやさしい物語を読むと癒されて穏やかな自分を取り戻せたり。


過去の苦い体験をなぞるような小説を読めばその当時の感情がぶわっと蘇ってきたり。

そのとき読んでいる小説からは何かしらの影響を受けるだけでなく、精神状態までも左右されることがある。



最近、つい、うっかり辻村深月の「傲慢と善良」を読みまして…。
読後はしばらくこころが疲弊したというか、ネガティブなモードで日々を過ごしてました。

以前、同じく辻村作品の「かがみの孤城」に手を出したとき
この作家の心理描写はわたしには生々しすぎる。こころが苦しくて悲鳴をあげそう!と感じていたのに。


辻村作品に無闇に近づかないよう警戒を強めていたはずが…つい油断して読んでしまったんです。


そうしたら終始ぐりぐりとこころをえぐられて。「痛いっ!こころが痛すぎる!!」とヒーヒー言いながらもページをめくる手をとめられず結局最後まで読み切ってしまった。

『映画化された話題のラブストーリーの原作』たったこれだけの情報におどらされてあらすじをまったく確認せずに読んでしまったのは…ちょっと浅はかでした。




そのときどきでただなんとなく読みたいものを選んで読む。
直感的に「なんだか嫌な予感もするけどとりあえず読んでみよう!」と内容をよく確認しないで無鉄砲な読書をくり返す。これが私の今までの読書スタイル。

だけど何の気なしに「傲慢と善良」に手を出してこころがヒリヒリする痛い目をみてさすがに反省しましたね。


流行っているとか、人に勧められたからという理由で小説を読み始めるのはわたしにはあまりにも危険なことが分かったというか。言葉の威力に改めて気がついたというか。


言葉は真っ直ぐにこころにとどいて深く刺さることがある。
そしてメンタルにとことん響きます。



興味をもった小説の内容がそのとき自分が読みたいものなのか。


そのことに無頓着にならずに何を自分に取り入れるかよくよく吟味して読む本を選択をする。


これは読書を楽しむためでもあり、自分のこころを守るための大切なこと。


今まで疎かにしていた分これからは気をつけていこうと思ったのでした。



おわり




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