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C-23 〜全国ツアー前編(まじめなお話し)〜
僕らは最北端は北海道の稚内、南は沖縄までライブに行った。
テレビの場合は、台本と様々な技術的演出で面白く観られる様に工夫されている。
例えば司会の人がアーティストに質問をする。意表をつく様なユニークな質問とかだ。その質問の内容が構成作家によって台本に書いてある。だけどその日の番組によって違う。台本に書かないで突然聞いた方が面白いリアクションが返ってきそうだと判断されればインタビュアーがメモかなんか見て突然インタビューしたりする。これがまぁ台本的な演出だ。ちなみに生放送は大抵何もかも書いてある。質問の答えすら書いてある場合がある。或いはADが持つカンペに回答の一字一句が書いてあったりする。まぁテレビってそんなものよ。それ以上は書きませんし全て当時の話しですからね。今はそんなクソやらせ的な事はないでしょうけどw
加えて、音響、照明、技術、撮影つまりカメラマン、といったスタッフの人達が観ていて思わず引き込まれる様な画面にしてそれが放送される。
前置きが長がーい。
ところがライブは違う。ナマモノだ。ステージ上に多少の舞台装置はあるもののほとんど剥き出しのアーティストがそこに出てきて演奏するだけ。もちろん音響さんも照明さんもいますよ。でも生で見られるというのはどうにも誤魔化しようがない。
ツアーの場合は同じスタッフが同じ装置を持って舞台監督の演出が入ってやるわけだが、演奏もMCもその中身は本人達次第の出たとこ勝負になる。
自分で言うのもなんだけどC-C-Bは演奏力はあった。お客さんを圧倒するだけのサウンドやボーカルの歌唱力もある程度はあった。
問題はMCだった。英樹も田口も普段のお喋りは面白かった。だけど普段のお喋りとMCは違う。どこが違うのか?
不特定多数の聴衆がいる。そこだ。
お客さんは自分達の期待しているC-C-B像というものを持っている。つまりファンの皆さんはキャラ設定を自分なりにした状態でMCを聞く。例えば。
ゴムさんは(俺のこと)渋いんだけどエッチな事時々言うよねぇ、根がエロなのヨォ〜、ってな感じだ。今のSNSでもそう思われてる。まぁ外れているとは言えないが。
で、コンサートのMCではそういうキャラも意識してトークしないと盛り上がらない。じゃあ普段通りやればいいんじゃないかって?いやいやいや、どう渋いのか、どこまでエロいのか、が客観的にわかっていなければ絶対に外す。スベる。
仮にエッチな話しをするとしても、
昔女の子とデートで遊園地に行って、その子が高い場所とか早い乗り物が好きで、結果僕が絶対に避けたかったローラーコースターに乗る羽目になり、実はかなりチビってしまっていてその後のデートは僕的には爽やかではなかった、程度の下ネタだ。それで女の子達が手を叩いてウケる。エッチな話しと言ってもせいぜいその程度にとどめる。そこが大切だ。相手はティーンエイジャーだからね。
そういう相手にただ闇雲にエロい話したらあかん。
ラブホ行った時備え付けのバイブレーター使い過ぎてバイブレーターから火が出て布団に燃え移り、なんて事話したらどん引くどころか泣いちゃう子も出るかもしれない。
僕はコンサートでよく喋ったが今では何とか特に何も考えずにライブでMCしているけど(ホントはもう少し考えて喋るべきw)当時は徹底的に考えて喋っていた。実は事前に自分で原稿を書いて(楽屋はひどくうるさかったから大抵トイレにこもって)何度も修正を加えてそれを繰り返し黙読して暗記して喋った。
そのうち自分の話しが下手くそながら徐々にウケる様になっていってMCを受け持つのが楽しくなった。アドリブも入れられる様になったりして。
しかし元々は人前で喋るのは得意じゃない。喋るより書く方が少しは楽だ。何故ならやり直す事ができるから。ま、書く方も大した事はないのだけど。
結局ラジオのパーソナリティの仕事がきたり、小説書いてみないか?という話しがきたりしたのも全てはコンサートで身につけていったスキルだった。スキルって言うのはカッコよすぎるかなw
とにかく全ての根源はライブにある。後にセッションをやる様になる米川のギタープレイも他のバンドをやるメンバー達もそして僕も、その後の活動の原点はC-C-Bの全国へのコンサートツアーで鍛えられたものだ。
地方によって微妙にお客さんの反応にも違いがある。とにかく派手に大声で煽った方が盛り上がる地方もあれば、じっくり語る落ち着いたトークの方が受け入れられる場所もある。そんな色んな地方があるけど、どこでやるにしても、自分のキャラを理解した上で初めて成立するわけでそうじゃないとトンチンカンな事になってしまう。
関口さんてエロいっていうか気持ち悪い、なーんて言われたら台無しだw
市川さんという師匠がいる。その人はいわゆる舞台監督と呼ばれる立場の方で、数々の有名アーティストの舞台演出をやられていて今では大先生だ。その人から僕らはコンサートとはなんであるか?のいろはを教わった。感謝しかない。
全国ツアーはいわば強化合宿だった。笑いも喜びもあったし怒りや不安も沢山あった。一人一人が全国のいろんなコンサート会場で試され磨かれていった。
つまりC-C-Bは少なくとも僕にとっては素晴らしい学校の様なものだった。いい学校に入れてよかったと思う。よいクラスメイト4人にも恵まれた。
今回は前半。真面目な話しに終始した。そうでもないか?w
それで後半は笑えるエピソードを中心にコンサートツアーについて書きたいと思います。
つづく
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