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C-22(番外編) 〜追悼、中山美穂さん〜
このCというシリーズを書いている最中訃報が飛び込んできた。
中山美穂さん死去
彼女のデビュー曲が、C、というタイトルなだけでなく
、彼女とはもちろん深い縁がある。
ご存知の方も多いだろうけど、彼女のドラマデビュー作
、毎度お騒がせします、の主題歌を担当していたのは僕等
だった。それが、ロマンティックが止まらない、である。
54歳というのは早過ぎる。ちなみに渡辺英樹は55歳
、笠浩二は60歳。皆何故そんなに早く…..
このCという回想録。自分の記憶だけを頼りに主に80年代当時のC-C-Bを中心にした業界内での出来事を書いている。業界内なんて大きく出たが、僕らが所属していたのは業界といってもそのすみっちょの方で、その点中山さんは言ってみれば業界のど真ん中にいらした。それはその後のご活躍をみれば歴然としている。歌の方も演技の方も輝かしい経歴を残されている。
プライベートの事はよく知らない。元ご主人の辻仁成は僕の事を友人と言ってくれているから僕もそう思う様にしているが彼とのパリでの生活は幸せだったのかな?遠い地の事で知る由もなかったのだか。
一つだけ美穂さんとのエピソード。
デビューが決まった彼女との顔合わせがあり、さすがに期待の星、随分可愛い少女が世の中には存在するものだ、と思った。その数日後。
僕らは前話にも登場した渋谷のエッグマンというライブハウスの出演があった。その日彼女が学校の友達と一緒にそのライブに来てくれた。
バンドのリハーサルが終わり多少の空き時間があったので僕は1人でぶらっと外に出て近くのレコード店で洋楽のアルバムをあさっていた。すると2人の若い女性というか女子が僕に声をかけてきた。
セキグチさん、ライブ頑張ってくださいね
それが美穂ちゃんとお友達だったのである。お友達は確かセーラー服を着ていた。忘れられない記憶のトップの方に入る大切な出来事。
はい、頑張ります、それだけで会話は終了。ライブ後に楽屋に来てくれる事はなかった。
その数年後。僕はある街のマンションに暮らしていた。驚いた事にそのマンションのエレベーターでマフラーにくるまった女性と出くわしたのだがそれが誰あろう、中山美穂さんご本人だった。つまり彼女は一時僕と同じマンションの1つ上の階に住んでいたのだ。
歌番組でも一緒だったりしてスケジュールが被ったせいもあり、その後何度かエレベーターで鉢合わせした。しかし声をかけるのはいつも僕からで、大抵お疲れ様、とだけ僕が言って、彼女は黙って頷くだけ。3〜4回会ったかなぁ。
そこに同乗していたのは紛れもなく芸能界のスターであり、昔レコード店で声をかけてくれた女子とはまるで違ったオーラに包まれた一人の大人の女性でした。
美穂さん、思い出をありがとう。
どうぞ安らかに。
関口誠人
つづく
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