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英語でディベートの授業

教員1年目としての1年が終わろうとしています。毎日さまざまな発見があり、日々わくわくしています。そして現在、3年生の英語を教えています。
教材研究は労力がかかると思いますが、それ以上に楽しさを感じながら授業作りなどを行なっています。

最近、ディベートの授業をやったので、授業の手順や気づいたことなどをまとめていきたいと思います。


ディベートってどうやるの…?

使用している教科書は、東京書籍のNew Horizon  English Course 3です。三年生の教科書の最後の方を見ると、なんとディベートの授業がある…!私の頃はディベートなんてやってなかったなぁと思いつつ、さてディベートの授業ってどういう手順でやれば良いんだろうか…と考えました。書籍や周りの先生方からヒントを得て、自分なりに何とか授業を準備。


ディベートの前に…。

まずディベートの授業に入る前に、
そもそも生徒たちはディベートに慣れているのか?ディベートがどんなものか分かっているのか?と思ったので、生徒に聞いてみました。

「うーん、やったことがありません」
「え、ほんと?!国語や社会でもやったことはない?」
「ないです。ディベートって何ですか?」

ディベートを体験してもらい、まずディベートの概念ややり方について理解してもらう必要があると思いました。手始めに、英語の恩師から教授いただいた「ジャンケンディベート」を日本語でやらせてみました。お題はこちら。

こちらのお題が書かれたスライドをモニターで提示し、
①ペアでジャンケンし立場を決める(テレビを見る派、読書をする派)
②双方の立場から理由とともに主張を述べる
③互いに質疑応答

こんな感じで簡易的なディベートをペアで体験させました。双方の立場の生徒から出た主張の理由を、黒板に書き出しました。そして、これは客観的な事実か?個人の意見か?というのを一つ一つみんなで確認しました。
ある先生のご助言で、ディベートでは客観的な事実に基づいて主張することが大切だと伺い、このように確認しながら、事実と意見の区別をさせました。


いざディベートの授業へ。

まず、ディベートに慣れさせるための時間がもう少し必要だったのですが、あまり時間もなかったため、おおまかに次のような手順で授業を準備しました。ちなみに論題は”JHS students should not have their own smartphones.”です。


Step 1: What is “debate”?
・ディベートについてのイメージを持たせるために、ディベートの動画を見せる
・ディベートの概念、そのために必要な表現について理解させる

Step 2: Prepare for debating①
・ディベートの論題を提示する
・こちらで生徒の立場を指定し、同じ立場の生徒同士で理由や根拠について話し合わせ、日本語→英語に直させる。生徒から出た理由を全体で共有し、プリントアウトして渡す

生徒の話し合いで出た理由をまとめたスライド

Step 3: Prepare for debating②
・全体で共有された理由をもとに、ディベートの準備をさせる
・ディベートの手順や留意点、ディベート参加者や審判、司会の役割について説明する

ディベートの流れです。ディベートのタイムマネジメントができるように、生徒に提示していました

Step4: Let’s have a mini debate!
・ルーブリックを提示する
・ディベート1回目を行う(奇数班がディベート参加、偶数班が司会と審判兼記録)
・ディベート2回目を行う(偶数班がディベート参加、奇数班が司会と審判兼記録)

ディベートの役割分担や形態はこんな感じです

Step 5: Consolidation
・まとめの時間として、ワークシートにディベートの自己評価をさせ、振り返りを記入させる


ディベートの授業を終えての感想

上記に書いたとおりの手順で、全5時間で授業を進めました。

もちろん教員1年目なので、初めてのディベートの授業なわけでしたが、ディベートはやって楽しさが分かるとハマる!というのが率直な感想です。私もディベートに参加したかったくらいでした(笑)

論題は上述の通り、

JHS students shouldn’t have their own smartphones.

としました。

英語ディベートのテーマ例を調べ、生徒の興味関心を踏まえた結果、このテーマが面白いかなと考えてこちらにしました。
ディベートの準備中は、自分たちのタブレットで様々なグラフや統計データなどの資料を集めながら、しっかりとした根拠の伴った主張をするために準備をしていた生徒が多くみられました!

そして、いざディベートとなると、互いに真剣に互いの意見を聞いて、そのうえでどんな質問をしようか考える様子が見られました。自分が持っている知識で、自分の伝えたいことを英語で相手に頑張って伝えようとする姿に、私自身、感心しっぱなしでした。

ディベートの振り返りシートを見ると、「相手の主張を批判せず、まず受け止めて自分の主張をすることが大切だと学んだ」という生徒が多数いました。これ以前にやった「賛成する・反対する」についての授業が生きてるなと思いました。

審判の生徒には、ジャッジペーパーに双方の主張を記録させ、判定の理由を書いたうえでどちらの主張が良かったか判定させました。「日本語が多かったから」という理由で敗者判定している生徒もいました(笑)
司会は、それぞれタイムキーパーの責任を果たし、円滑な進行がなされるよう”Speak aloud!”などと声をかけているグループもいました。

ディベートを終えた生徒の中には、ディベートは難しかったけどまたやりたい!と言った声が多く上がりました。
脳をフル活用し、さまざまな英語の技能を使うため、途中でつまづきながらも、やりごたえを感じ、生徒自身の次なる目標や課題意識付けに繋がると思いました。

授業の反省点として、ディベートに慣れさせる下地作り(帯学習で慣れさせるなど)が十分でなかったり、ディベート形態の工夫(より小グループにして互いの声を聞き取りやすくする)が必要だったりと多くありましたが、私自身、とても多くのことを学ばせてもらいました。

ディベート中の板書
ジャッジペーパー(審判メモが興味深い!)
ディベート準備のためのワークシート
振り返りシート


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