セキグチタクミ

長めのツイートくらいに思ってください。染みみたいな文たちの輪郭が何かの形になってたらと思って

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最近の記事

北の果ての寒村で、年越しして見えてきたもの

小さな集落にひっそりと建つ秘密基地のような宿 2024年の年明けは問寒別(といかんべつ)という小さな集落で迎えた。北海道の北の端っこ、幌延という町のさらに端にある200人規模の町だ。 この集落にはちょっと変わった特徴がある。リピート客が異様に多く、そのほとんどが若者なのだ。 日本中の田舎から若者離れが激しいこのご時世に反して、問寒別には長期休暇の時期になると、異様なほどに20代前半の若者ばかりが訪れる。そして彼らは皆、とあるゲストハウスに泊まっていく。 “ウタラとい

    • 「地域おこし」の理想的な形とは

      東京一極集中の今、都会ばかりに目が向いてしまいがちではあるが、当然日本には都会以外の地域、地方がある。最近では「地方創生」「地域おこし」みたいに都会以外を盛り上げようという動きがちらほら見られるが、地方を盛り上げる理想的な方法は何なのか、少し考えてみた。 東京からちょっと視線をずらせば 自分は「生粋の東京っ子」だ。東京生まれ、東京育ち。23区内の実家で暮らし、進学や就職で他県に移動したことはない。両親も東京出身なので、”田舎に帰省”したこともない。 いわば東京に幽閉され

      • 四万十川の奥地で、アジをつまみながらローカル線の行く末を語る

        人生の半分をローカル線マニアとして過ごしている。 東京出身の反動か、大自然をゴトゴトと走り、\ポーッ/ と汽笛まがいの音を出すディーゼルカーに小学生の頃から憧れ続けた。 そんな自分は「JR予土線」に目をつける。元から「ものすごい田舎」というイメージがあった高知の山間部に、一日4往復しかないローカル線があるじゃないか…!気がつけば、予土線を全線乗り通せる切符を買っていた。 旅人相手なら初対面もなんのその 寝床に選んだのは「かっぱバックパッカーズ」。起点の窪川駅から6駅の

        • 【高知旅行記】見知らぬジャズバーにて

          ジャズ喫茶「木馬」のことは、高知に来る前から本で読んで知っていた。 1962年創業のシブい店。繁華街・帯屋町の一角にひっそり佇む木馬はただならぬ雰囲気で、普段なら入店を躊躇う空気を醸し出していたが、旅となるとそんな店にえいやと入る思い切りがつくのが不思議である。 客はおらず、自分ひとりがコーヒーを啜ってスピーカーの音色に浸る。やがて一人、また一人と来客があり、常連客5人と自分ひとりという構図になった。 地場で刀を研いだ手練れと、他所からのど素人 常連客は皆高知生まれで、