日本政府としてイスラエルのガザ攻撃を非難するように、外務省に要請した
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https://www.mofa.go.jp/mofaj/comment/index.html
イスラエルのガザ攻撃を非難することを要望します
上川陽子外務大臣
私はこの間のイスラエル・ガザ状況に心を痛めています。そして、日本の対応にも不満と憤りを持っています。
日本政府は、ハマスのテロを非難する一方で、イスラエルに対しては、自衛権があるとした上で、自制と国際法遵守を要請しています。
しかし、民間人が多数いるところを爆撃して多くの人々を殺すような実際に行われているイスラエル軍の行動が、自衛権行使の範囲なのか、国際法に反しないのかどうか、日本政府は一切述べていません。
また、日本政府は停戦を呼び掛ける国連決議も棄権しました。これでは、イスラエル軍の蛮行を容認するようなものです。
日本政府に以下のことを要請します。
■ イスラエル軍の軍事行動を非難すること
■ イスラエルに対して軍事行動の停止を呼び掛けること
■ イスラエルを支持・擁護するG6、とりわけ米国に対して、イスラエルを非難するように要望すること
多数の民間人を殺害するイスラエルの行動は、国際法違反です。
イスラエルが連日行っているガザ地区、およびヨルダン川西岸地区への武力攻撃は、多数の民間人の犠牲(約半分が子供)を生み出しており、民間人保護を定めた国際法に反します。
国際法は、武力行使を自衛権行使などごく限られた場合にのみ限定し、その場合でも、民間人保護、非軍事施設は攻撃しない、必要最小限、などの条件が付いています。今回のケースでは、「ハマス壊滅」が自衛権行使と言えるかどうかも疑問ですが、個々の戦闘においても国際法に反しています。イスラエルの言う「ハマスの戦闘員が民間人を盾に使っている」「病院にハマスの拠点がある」などが仮に事実であっても、民間人が多数いることが分かっていて、多数が死傷することが分かっていながら、大規模に攻撃し、実際に多数を殺傷することは、「比例原則」にも反し、民間人保護・非軍事施設への攻撃禁止・必要最小限、を大きく逸脱するものです。
日本政府は、イスラエルの軍事行動を非難していません。
この間、日本政府はハマスのテロに対しては「強く非難する」と表明しました。一方、イスラエルに対しては、「自制」や「国際法に従って」と要請していますが、現実にイスラエル軍が行っている武力行使が国際法に反しているかどうか、一切述べていません。
先日のG7外相会議での共同声明でも、ハマスのテロは非難する一方で、イスラエルを一切批判しないで、「我々は、イスラエルが再発を防ごうとする中、国際法に従って自国及び自国民を守るイスラエルの権利を強調する」と述べています。これでは、イスラエルが現在実行している軍事行動は自衛権の行使で問題ない、と言っているようなものです。
日本を除くG6は「イスラエルの自衛権を支持」と明確にイスラエルを擁護しています。日本はこれとは異なり、一般論として自衛権がある、国際法遵守、自制を、などと述べていてG6ほどには旗幟鮮明にはしていません。この点に関して、私は日本政府を評価します。
しかしそれは、あくまで相対的な話で、日本政府はG6よりは多少はまし、という程度のことです。現実に行われているイスラエル軍の行動が自衛の範囲なのか否か、国際法に合致するのかどうかを述べないのなら、国際法遵守などの要請は何の意味もないことになります。
上川外相の2023年10月27日の記者会見です。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken6_000139.html
【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
パンオリエントニュースのアズハリです。
G7は、イスラエルは国際法上自衛権を有すると述べたと報じられています。では、国際法上の自衛権とは具体的に何を意味するのでしょうか。イスラエルの自衛権の行使の過程で、インターネットやその他のメディアによれば、何千人ものパレスチナの子供たちや家族が皆殺しにされました。日本は、このような自衛権を支持しますか。もし支持しないのであれば非難しますか。ありがとうございました。
【上川外務大臣】まず、G7の主張についてということで、私(上川大臣)に具体的に何を意味するかというお尋ねがございましたけれども、他国が発出した声明の内容につきまして、コメントすることにつきましては、差し控えさせていただきます。
その上で、イスラエルが、主権国家として、自国及び国民を守る権利を有することは当然でありますが、一般論として、こうした権利は、国際法に従って行使されるべきことはいうまでもなく、その旨は、これまでも繰り返し述べてきたとおりでございます。
そして、2点目の御質問でありますが、御指摘のとおり、ガザ地区及び周辺では、既に多数の死傷者が発生しているところであります。現地の緊張度は、刻一刻と増しておりまして、情勢は全く予断を許さない状況であります。我が国といたしましても、深刻な懸念をもって、この情勢を注視している状況であります。
従来から申し上げているとおりでありますが、我が国は、ハマス等によりますテロ攻撃を断固として非難した上で、人質の即時解放・一般市民の安全確保、そして、全ての当事者が国際法を踏まえて行動すること、そして、事態の早期沈静化、を一貫して求めてきております。
イスラエルとの関係では、累次の機会に、一般市民の保護の重要性、国際人道法に則した対応、また人道支援活動を可能とする環境の確保等の協力を要請したところでございます。
今般の事案につきましては、我が国は直接の当事者ではなく、個別具体的な事情を十分把握しているわけではないことから、確定的な法的評価を行うということにつきましては、差し控えたいと思っております。
その上で、イスラエルが主権国家として、自国及び自国民を守る権利を有することは当然でありますが、一般論といたしまして、こうした権利は、国際法に従った形で行使されるべきであるということにつきましては、言うまでもないことであります。
いずれにせよ、日本といたしましては、引き続き、刻々と動く現地情勢を踏まえつつ、関係国との間で意思疎通を行い、そして、在留邦人の安全確保に万全を期しながら、事態の早期沈静化や、また、人道状況の改善に向けまして、外交努力を続けてまいります。
G7には日本も入っています。「他国が発出した声明」というのはおかしいです。日本政府としても一般論としつつも「イスラエルには自衛権がある」と述べているのだから、現在イスラエルが行っている軍事行動が自衛権の範疇に入るのかどうか述べるべきです。
また、イスラエルの行動が自衛権行使なのか、国際法上どうなのか判断しない理由に「直接の当事者ではない」を挙げていますが、全く不可解です。現に日本政府は、直接の当事者でないものの、ロシアのウクライナ侵攻やハマスのテロを非難しています。なお私は、これは適切な対応だと思っています。
また「個別具体的な事情を十分把握しているわけではないことから、確定的な法的評価を行うことにつきましては、差し控えたいと思っております」とのことですが、ではどれだけ把握したら「十分」なのでしょうか?日々報道されているように、イスラエル軍の行動で子供を含む多くの人々が殺されています。これでもまだ、「国際法違反である」と判断するには不十分なのでしょうか?
イスラエル軍の行動で国連職員も犠牲になっています。WHOなど複数の国連機関もグテーレス国連事務総長もイスラエルの行動を非難し、停戦を求めています。ターク国連人権高等弁務官はイスラエル・ハマス双方を「戦争犯罪」と批判しています。
日本政府はこれらの声を無視して、イスラエルの軍事行動の是非を曖昧にし続けるのでしょうか?1990年代、日本政府は「国連中心主義」を掲げて、湾岸戦争を支援し自衛隊のPKO派遣を行いました。都合のいい時にだけ「国連」を持ち出すのでしょうか?
今現在の日本政府の行動は、イスラエル軍によるガザ住民への殺戮を容認する結果となっています。これを改め、戦闘停止のために尽力することを要請します。