【後半】新型コロナの影響下に行った考古館オンラインツアーの全ノウハウを余すところなく公開します!
この記事は、「新型コロナの影響下に行った考古館オンラインツアーの全ノウハウを余すところなく公開します!」の【後半】部分です。
【前半】は下記記事をご覧ください!
3.当日までの対応事項(一部掲載)
実際に、オフラインで飛騨みやがわ考古民俗館でリアルなツアーを実施する場合は、対応場所はもちろん飛騨みやがわ考古民俗館の一箇所で済むわけです。
しかし、今回はオンラインイベントです。
現地に加えて司会側とゲストの方とで別々の場所からオンラインでアクセスを行うこともあり、インターネット環境の確認等含めた様々なリスク管理が欠かせませんでした。
改めて時系列に沿って本番までの流れを見ていきたいと思います。(他にももろもろありましたが、主なものだけを抜粋します)
<数日前>
●申込用Peatixページ及びfacebookイベントページをオープン
(facebookイベントページだけでも参加者数は把握でき、案内もお送りできますが、facebookなどのSNS経由ではなく完全に新規の方々にもリーチしたかったためPeatixを利用しました)
●申込みいただいた方に当日の連絡(ZOOM URL含む)
●ZOOMにアクセスして、考古民俗館でのネットワークチェック
(映像やマイクのチェック、カメラのブレのチェック、流れのチェック等)
●スペシャルゲストお二人(望月さん、こんださん)と流れの確認
<5/3(祝・日)14:30-15:00>
●考古民俗館側と司会側がZOOM上で集合
●接続のチェック(カメラとマイクが問題ないか)
●流れの最終確認(ZOOMのURLは本番URLとは別のもので実施。本番URLでリハーサルをすると参加者の方が参加してしまう可能性があるため)
<5/3(祝・日)15:00-15:20>
●考古民俗館側と司会側、スペシャルゲストお二人(望月さん、こんださん)がZOOM上で集合
●接続のチェック(カメラとマイクが問題ないか)
●流れの最終確認
<5/3(祝・日)15:40->
●本番URLオープン(参加者続々とZOOMにアクセス)
●参加者の方に16時の開始まで2回ほど「参加にあたっての3つのお願い」を伝達(ZOOMの使い方も兼ねて)
<5/3(祝・日)16:00->
●開始!
という流れでした。
急ピッチで準備をした企画でもあったため、なにか抜けているのではという漠然とした不安と、しっかり準備できていると信じようという強引な安心感とで、変な感覚を覚えつつスタートしました!
★本番開始前にアナウンスした「参加にあたっての3つのお願い」
4.企画における人員・設備体制
あれよあれよという間に本番を迎えましたので、実施設備や体制について余裕を持って考える時間はほぼありませんでしたが、とにかく大きなトラブルがないように最低限準備をして臨もうということで、下記のような人員・設備体制をとりました。
人員については、企画側(ゲストを除く)は合計して7名配置したことになります。結果的に妥当な配置であったと考えています。
設備については、結果的には大きなトラブルもなく、かつこの企画のために何かデバイスを購入したということもありませんでした。
<考古民俗館側>
●考古民俗館には3名常駐とした
(カメラ1名、解説1名、トラブル対応<東京にいる司会と裏でやり取り、マイクや映像に不備がないか等をリアルタイム確認>と報道対応で1名)
●映像用のカメラデバイス1台(iPad mini:飛騨市教育委員会保有)と音声用マイクデバイス1台(学芸員プライベートスマートフォン)を用意した
*映像用デバイス~映像をON、音声のインプット・アウトプットはOFF~
*音声用デバイス~映像をOFF、音声のインプット・アウトプットはON~
*当初はiPadを2台準備し、映像用と音声用に活用しようと考えていたが、音声用デバイスはスマートフォンの方が持ち運びに適したため、結果プライベートスマートフォンを利用した
●wifi接続は飛騨市教育委員会保有のモバイルルーターを用いた
<司会側・ゲスト側:各自自宅等から参加>
●司会側は、メイン1名、サブ3名とした
●メイン司会は、映像の記録(ZOOMの録画機能を活用)と開始後のチャットチェック及び返信を兼ねた
●サブ司会①は、適宜様子の撮影と最後の集合写真撮影(スクリーンショット)、映像とマイクのリアルタイムチェック、チャットとツイッターチェックを兼ねた
●サブ司会②は、参加者がミュートになっているかを随時チェックし、適宜ミュート対応を行った(機械操作が分からずに押してしまう人がいると解説中にも音声が入ってしまうため非常に重要!結果として、意図的に押して入ってくる人がいた場合の危機管理も担ったことにもなった)
*尚、ミュート設定については、ZOOM URL発行時に「参加時に参加者をミュートする」設定をしておくべし
●サブ司会③はツイッターで実況中継を行った
●司会やゲストは自宅からの参加となり、現場と距離が生じるため、考古館との連絡手段として別途facebookメッセンジャーでグループを作っておき、緊急事態が起こった場合に連絡をとれるようにしておいた(結果使うことはほぼなかった)
●ツアー開始時にホストが、スポットライトビデオをON(考古館の映像用カメラの固定)にした(ZOOMの機能である「スポットライトビデオ機能」はミーティング形式において非常に有効です。この機能をONにすることにより、参加者全員が考古館の映像をメイン画面に固定して鑑賞することができます)
●展示解説時には、参加者への問いかけも入れて参加感を創出するようつとめた
5.事後対応
終わった後は疲れがどっと出てへなへなでしたが笑、こんな対応をしていました。
●参加者の皆さんにPeatix上及び申込時メールアドレス宛てに御礼&アンケートを送付
●zoomのチャットに上がって答えきれなかった質問を、後日ツイッターで順次回答(実は本番中は、ZOOMのチャット機能を読んで可能なものに返信するのに精一杯だったため、ツイッターをちゃんと見ていませんでした)
終了後改めてツイッターを見たところ、参加者の方々の質問やコメントが多数見つけることができ嬉しくなりました。
6.総括
ツアー内容の詳細は別として、企画自体の総括を行いたいと思います。
<主な成果>
●ZOOMのミーティング形式で実施してよかったということ
(Youtubeやウェビナー形式も考えたのですが、今回は、館からの一方通行でなく相互交流を展開したいとの思いで実施しましたので、参加者の方々のカメラがONになったことでお互いの顔が見え一体感が生まれました)
●ゲストの方が適宜ツッコミや質問を入れてくださったことで、館からの一方的な情報提供にならず、内容に深みが出たこと
●参加者からの質問をZOOMのチャット機能やツイッターで受け付けることで、相互交流を行うことができたこと(進行中でも、適宜司会側で回答できる質問には回答していきました)
●アンケートの満足度は97%で、ライブ感・一体感があるという意見も多くいただきました!
<主な課題>
●十分な機材がないことによりカメラが揺れてしまい、土器の文様が鮮明に見えない
(この点については、今後他の館などでも同様の試みを行っていくことを考えたときに、デバイス等を購入することを必須とするとハードルがどうしても上がってしまいます。
そう考えると手持ちの範囲でいかに工夫して実施できるかが重要だと感じます。とにかく固定するときは頑張って固定することですが笑、もちろんスタビライザーなどがあればベストです。あとは静止画を共有するなどもありだと感じます)
●60分だと時間が足りない(長くなり過ぎても飽きてしまうし、ここは難しいところだと感じています)
●参加したかったが、ご年配の方で申込方法が分からない(いくつか制限があることも否めず、今後改善を図りたいと思っています)
実際この他にもたくさんの課題があるのですが(アンケートでもたくさんコメントをいただきました!ありがとうございました!)、あまりにも長くなってしまうため厳選しました。
すでに同様の手法で実施を検討している館が全国で見られますが、当館が逸早く着手することができたことは大きな成果の1つだったと感じています。
もし今後他の館の皆さんがこの情報を活用したいと思ってくだされば、これ以上嬉しいことはありません。
それから、私たち自身が終わった後「本当に楽しかった!」と心から感じました。
おそらくそう感じた理由の大半は、参加してくださった皆さんの楽しそうな顔が見られ、お互いにZOOMとツイッター上でコミュニケーションがとれたことです。リアルな場だけではなく、オンライン上でも雰囲気を作ることはできるんだと自信にもなりました。
ここに手順と成果等を共有し、博物館等のオンライン相互交流発展に寄与できれば幸いです!
7.お問い合わせ
もし何か不明点等ございましたら遠慮なく石棒クラブまでご連絡ください!(応援メッセージなども大歓迎です!)
石棒クラブ
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