人口増加率が高い市町村の理由は何か?
こんにちは、愛別町地域おこし協力隊の谷合です。
僕が現在住んでいる町は、赤ちゃんが生まれる数よりも、ご高齢の方が亡くなる数の方が多いです。
それは、僕が住んでいる町が特別なのではなく、日本の多くの市町村でもそのような実情を抱えているのだと思います。
そこで、日本の中でも人口増加率が高い市町村の事例を知ることで、僕が住む町に落とし込んで考えれるようなヒントがあるかもしれないと思い、この記事を書くことを決めました。
参考にしたサイトはこちらです
人口増加率が高い町を、ざっくりと2種類の事例を取り上げて分析します。
まず、1つ目は、北海道の占冠村です。コロナ禍になる前からコロナ禍に突入する2017年~2020年まで、北海道の占冠村は3年連続の人口増加率でした。
その大きな要因を担っていたのが占冠村にあるリゾート施設で、海外の労働者を多く雇用し、住居も整え、リゾート施設を運営する形態をとっていました。
一時期は、4人に1人が海外の労働者だったと言われています。
その他にも、主要なリゾート施設がある、赤井川村、留寿都町、倶知安町、ニセコ町などでも人口の増加率が高いデータがありました。
北海道は、県内や海外からも観光客が多く訪れる場所であり、リゾート地には、コロナ禍に突入するまでは多くの観光客が訪れていました。
観光客が来ることで地域の経済が回り、リゾートホテルを持つ企業は、労働者の住居を整え、労働者にとって転入しやすいまちづくりが可能になりました。そして、その結果が人口増加につながったと予想されます。
しかし、コロナ禍に突入し、海外の労働者が多く流出してしまったことによって2021年には占冠村の人口増加率は現在、最下位となりました。
日本のコロナ対策は、海外からの観光客を長い間水際対策として抑制してきました。また、日本国内の人流も抑制することによって、医療体制を守り、重症化率が高い高齢者を安心させる政策をとってきました。
そのため、観光に力を注いできた町や企業は、経済が回らなくなり、人口増加率のほとんどを占めていたまちは、人口増加率が下がりました。
しかし、今年に入り、大きな円安となっている。そして、ドルやユーロや主要な通貨に対しても同じ円安の状態となっています。(2022年5月現在)このままコロナ対策が緩和され続けると、海外の人にとって、日本は安くて訪れやすい国であるため、これまでにない数の観光客が訪れることが予想されます。
これからのコロナ対策次第で、再び観光を生業としてきた地域の経済は回り始めると考えられます。
次に、千葉県の流山市です。流山市は毎年、人口が増え続けています。コロナ禍で経済が停滞している現在も、増減数が4833人とかなりの人口が増えていることが確認できます。
流山市が力を入れているのが「子育て支援」です。流山市は都心に近いベットタウンとしても人気で、保育園の待機児童もゼロを達成しています。
ベッドタウンは、都市化の影響も受けて、日本全国から人が集まりやすい構造の中にいます。
流山市は駅前送迎保育ステーションという仕組みを整え、各送迎保育ステーションと市内の保育園をバスで結び、登園・降園するシステムを導入しました。
そのため保護者は子どもたちを駅に連れて行けばよいので、かなりの時間の節約になり、児童数に比較的余力のある保育園も活用できます。
都心で仕事をしながら子育てにも困らない環境はとても魅力的だと思います。
また、流山市では家事代行やベビーシッターなどのサービスを受けるとき、最大5万円近くの補助を行っています。共働きで子どもを育てることは夫婦にとっては大変なことであり、仕事と育児に挟まれて余裕ができなくなることが多くなりますが、流山市の制度はその不安もケアしています。
また、都心にはない自然を増やす取り組みも進めており、住みやすい環境づくりにも力を入れています。
これまで、2つのまちの事例を取り上げて記事を書いてきました。はじめは「観光」の恩恵を受け、海外から人を呼びこんで町の人口を増やす取り組み。そして、次に「都市化」の恩恵を受けて、都市にはない魅力で、都市から人を呼びこんで町の人口を増やす取り組みを紹介してきました。その2つの町を見た後に、僕が住んでいる町を見たときに、僕が住んでいる町で、人口を増やすためには何が残っているのだろうと考えます。子育て支援の取り組みを行っていますが働く場所が少なかったり、都市に行けなければ買い物できないこともあります。有名な観光場所が無かったり、盛り上げる人も団体も目につかなかったりもします。なので、次回は、僕が住んでいる町と同じような場所から、地域資源を育て、観光や魅力あるまちづくりに挑戦している町の事例を取り上げて考えていきたいと思います!