「指しゃぶりが止まらない…」お子さんの指しゃぶりが気になる方への処方箋2 完
「指しゃぶり」についての2回目の内容は、より実践的な内容にしました。
テーマは、『子どもに聴く』です。
慣れないとなかなかできない、「子どもに聴く」ですが、慣れてくると聞かずにはいられなくなってきます。そして、子どもに聴けば聴くほど、子どもたちの見ている世界に感動することになるでしょう。
子どもに聞いてはいけないことなんて無いのではないかとさえ思えてくるほど、子どもたちはなんでも答えてくれます。子どもたちはあらゆることをよく考え、よく見てよく感じています。その世界をのぞくには、聞いてみるのが一番早いのです。ぜひこの感覚を味わってみてください。やみつきになりますよ!
前回はこちら
「指しゃぶり」というサインを読み解く
指しゃぶり。これも、子どもたちが出してくれているサインかもしれません。なにか大人に伝えたいことがあるかもしれない、ということです。
サインについてはこちらで書きました。
サインについて考える。あるいはサインの意味を分かる。
これができたら、子どもたちはその”行動”をピタッとやらなくなる、ということがあります。
ただ、「やらなくなるからよい」というわけではありません。根本的なところで、お子さんの”本音”に近づくことができた。または本音を感じようとすることができたことに意味があります。お子さんの行動が問題なのではなく、心がどうなのかが大事ということです。
直接、子どもに聴いてみる
「どうして指しゃぶりするの?」という質問は、さすがにちょっとぶっきらぼうな感じがしますよね。そこで。お子さんの本音を知るために、
「いま、わたしに何かしてほしいことある?」
と質問してみると、何か分かることがあるかもしれません。
ちなみに『さんさんぽ』では、子どもに聴くということをとにかくたくさんしています。「どんな気持ち?」というのもよく質問するのですが、この質問、多くの方に「そんな難しい質問しても、2歳の子が答えられないよ」と言われるのですが、それがビックリ!答えてくれるのです。場合によっては1歳後半でも答えてくれるかもしれません。
「子どもに聞いても、答えられるわけがない」というのは、大きな誤解です
もう少し言うならば、「答えられるわけがない」と思って質問すると答えてくれないかもしれません。でも、「たとえ0歳だって答えられるよね(言葉じゃなくても)」という気持ちで聞くと、さらりと返ってきたりします。なのでもしかしたら「どうして指しゃぶりしてるの?」という質問でも、そこにお子さんを責める気持ちや不安ではなく、純粋なあなたの興味のエネルギーが乗っていれば、答えが返ってくるかもしれません。
お子さんの気持ちを予測し、まっすぐ伝えてみる
直接聴くに近いのですが、これも大きな気づきがあるかもしれません。
「どうして指しゃぶりするんだろう?」と考えていくうちに、あなたのなかにいくつかの「こうかな・・・?」というイメージが浮かんでいることと思います。それを、お子さんに聞いてみるのです。
もしかしたら、「ちがう」とか「うーーーん、わかんない」って返ってくるかもしれません。そのときは、「そっかー、本当はどう思ってるの?」と聞いてみると、もしかしたら変化があるかもしれません。
ワーク①
もしお子さんの「指しゃぶり」が何らかのサインだとすると。お子さんは、あなたに何を伝えようとしていると考えられるでしょうか。お子さんは、あなたに何を気づかせてくれようとしているでしょうか。
ワーク②
指しゃぶりが止まらないとき。ふとした時でも、あなたに余裕があるときでも構いません。お子さんに聞いてみましょう。いつでも、何回でも構いません。
「いま、お母さん(お父さん)にしてほしいこと、ある?」
ただし質問する前に、「どんな答えが返ってきても実践する」と決めてください。「抱っこして」「着替えさせて」など、たとえ中学生でもできる範囲でやってあげましょう。「○○に行きたい」であれば、多少遠くて大変でも行きましょう。
ただ、「○○買って」という場合は、甘やかしになる可能性があります。そうでない場合もありますが、今回は「買って」以外で実践してみてください。
ワーク③
あなたがイメージできた、「お子さんが指しゃぶりをする理由」を、お子さんに伝えてみましょう。
「○○って理由で、おしゃぶりしてるのかな・・・と思うんだけど、どう?」
という感じです。この時、できるだけお子さんへの変化の期待を手放し、素直なあなたとして、あなたの気持ちのままに質問してみてください。うまくいかなくても大丈夫です。
いかがだったでしょうか。
改めて、お子さんの指しゃぶりとはあなたにとってどんな問題でしょう。そもそも、問題でしょうか。そして、どうして指しゃぶりをしていて、どうすればしなくてもよくなるか、何か感じられたでしょうか。
指をしゃぶるという行動は、赤ちゃんの頃に母乳を飲んでいる姿とよく似ています。ですので、子どもたちにとっては非常に大切な行動なのかもしれません。ですので、無理にやめさせる方が危険だと個人的には考えています。悪いことではないのです。意味と理由がある。その理由を知ろうとすることが、私たち大人に求められていることなのではないでしょうか。
そして、指しゃぶりの意味や理由は、もしかしたらその子とそのご両親にしか分からないものなのかもしれません。そしてそれが感じられたら、すっと無くなっていくのだろうとも思っています。
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いつも最後まで読んで下さり、ありがとうございます!
みなさまからのご意見、ご感想お待ちしております。また、「こんな事例についてテーマにしてほしい」なども随時募集しています。お気軽にコメント欄にご記入ください。
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執筆者は、森のようちえん『さんさんぽ』を主催している
保育士さんたこと、ひがしなおやです。
・自分のことが大好きな子に。
・ありのままのその子に。
・自分事で考え、自分で決め、自分で動く子に。
そんな願いを込めて、ちょっと変わった保育を実践しています。
『さんさんぽ』は横浜市近郊にて、平日毎日開催を目指し園児募集中です。
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