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一からわかる福島原発事故 第2回 爆発で屋根が消えた福島原発 放射能が放出された

今から11年前の2011年3月11日に発生した、東日本大震災。それにより、巨大な津波が発生し、福島原発の全電源が停止。原発の操作が不可能になりました。全電源が喪失した福島原発で何が起きていたのか。第二回のこの記事では、福島原発がなぜ爆発したのかを解説します。
第一回の記事はこちらです→一からわかる福島原発事故 第1回 13mの津波が襲った福島原発 全電源が喪失

①全電源喪失の福島原発

福島原発の非常用ディーゼル発電機が津波で浸水し、全電源が喪失しました。福島原発の全電源が喪失する事態は想定していなかったため、上層部も即座に対応をすることができませんでした。
ただ、電源をどうにかして復旧させなければなりません。上層部は、他電力会社に電源車を要請しました。しかし、地震により交通網は麻痺。電源車は身動きが取れませんでした。

全電源が喪失。電源車もいつくるかわからない。そんな絶望的な状態で、吉田所長が思いついたのは、消防車をで原子炉に注水を行うという方法でした。この時、1時間後には一号機の燃料棒が丸出しになる=水が急速に減っている という状況でした。

②危険!立ち入り禁止の原子炉建屋

福島原発1号機の全電が喪失してから2時間ほどが経ち、原子炉の冷却装置がきちんと作動をしているかを確認するために作業員が向かいました。作業員が原子炉建屋に入ったとたん、放射線測定器が表示できる限界まで針が振り切れました。つまり大量の放射線が漏れでいたということです。

18:00過ぎ、1号機の非常用復水器が停止状態だと判明し、再度起動を行う。福島原発の壁にある二つの排気口(通称 豚の鼻)から蒸気がでていることを確認していた。つまり復水器がきちんと動いていたということ

18:25頃、非常用復水器が停止。18:30過ぎに、原子炉の温度が急上昇

そして3/11の20:50福島県が原発の半径2km圏内に避難指示を発令
この時、現場がとても混乱していたことがわかる文章がある。

自衛隊ヘリや米軍ヘリでの電源車の輸送について検討を行うも,電源車の重量が重く、ヘリによる電源車の空輸を断念。福島第一原発では、(中略)ライトを照らして簡易ヘリポートを準備していた。電源車を積載したヘリが飛び立ったとの情報もあり、数十人がグランドで期待して待ち続けたが,ヘリに関する情報は二転三転し,最終的には飛び立っていなかったとの情報が入った

③原子炉はメルトダウンを

21:00頃、事務所にあったバッテリーにより原子炉の水位計が復活。それによると、燃料棒に上に水位があるとなっていました。しかし、実際は原子炉は空焚きになっていて、21:20頃メルトダウンが始まったと思われます。

歴史上メルトダウンが起きたのは3回のみです。1回目はチェルノブイリ原発事故の時。2回目はスリーマイル島原発。3回目は福島原発です。

④なぜ視察に?カン総理の原発視察

3/12 朝4時ごろ、東京電力本店から吉田所長に連絡が入りました

本店<総理大臣がこれから視察に来ます
 所長<現場にその余裕はありません。
本店<それは決定事項です。
 所長<ではマスクとかの手配はそちらで
本店<それもそちらでやってください

その後の、12日朝5:44 福島原発から半径10㎞圏内に避難指示がでました。
朝7時過ぎ、菅直人総理大臣が福島原発に視察。(写真の引用

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通常、災害発生後の72時間は人命救助に徹底するのですが、菅総理大臣は地震発生から15時間後に、視察に行っています。多くの専門家やジャーナリストはこの対応をあまり良いものとは思っていません。
原発を視察した理由について菅総理大臣は「ベントが速く実行されなかったから」と説明しています。

ベントとは、原子炉建屋内にたまった空気を一度水に通してから外部に放出すること

このベントを行うことで、最悪の事態=原発の爆発を防ぐことができます。しかし、ベントを行うには、2つの弁を開けなければならず、弁のある部屋にたどり着くまでに、被ばく線量が限界になってしまい、ベントをするのに時間がかかりました

そのあと、予定通りベントは実行されました。

しかし・・・

⑤世界最悪の事故 福島原発爆発

ベントは無事に実行されましたが、なぜか水素が逆流をしてしまったのです。(写真引用

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水素を燃やすと、ボンと音を立てて燃える(爆発する)実験を学生の時にやったことはないでしょうか。
原発内でも同じようなことが起こっていました。原発内にたまった水素になんらかの原因で引火し、爆発が発生
ベントは一度水を通すので、ある程度は放射能を抑えられます。しかし爆発ということは、放射能がそのまま外部に流失したというこになります。
これは爆発直後の福島第一原発の様子です。(写真引用

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建屋上部が崩壊し、骨組みのみになっています。

そのあと、14日の11:01福島原発3号機が水素爆発を起こしました。3号機内の水素がパイプなどを通り、4号機にも入り込み、15日朝6:14福島第4原発が爆発。この爆発の衝撃で、2号機の一部が損傷。そこから大量の放射能が漏れ出たため、2号機は水素爆発を起こしませんでした

結果的に、1号機、2号機、3号機の核燃料が溶け落ちる(メルトダウン)が発生。1号機、3号機、4号機で水素爆発が発生

この原発事故により、栃木・群馬などの関東地方にも放射性物質が届いたと後日判明しました。

原発の廃炉はいつになるのか。また、現在の福島原発が抱える問題についても明日解説を行います。

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東日本大震災関連の記事はこちらです。
一からわかる福島原発事故 第1回 13mの津波が襲った福島原発 全電源が喪失
一からわかる福島原発事故 第1回 13mの津波が襲った福島原発 全電源が喪失 全漢字フリガナ付き

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