目立たずに社会に貢献している僧侶がたくさんいるからこそ頑張れる。という話。
檀信徒の葬儀が直葬と聞いて無償でいいから読経させてほしいと駆けつける僧侶。
学校で教わらない、ニュースでもあまり取り上げられない社会課題を地域に伝える場を提供する僧侶。
都心で月1000円で遺骨の一時預かりをされている僧侶。
月参りで暮らしや健康に心配があれば、声をかけ、行政につなぐ僧侶。
喪主がいない方から相談あれば葬儀社手配から読経、拾骨、納骨、納骨式まで対応する僧侶。
死にたいと相談があれば何年も文章でやりとりを続ける僧侶。
地域のひきこもりの若者のために外に出る理由作る僧侶。
日本に避難や出稼ぎに来た家庭の子供たちのために読み書きを教える僧侶。
*
ビジネスや社会貢献領域でよく使われるような流行りの目新しいカタカナは並ばないし、ご本人たちも特別なことをしている意識はないけれど、着実に誰かのために動いている僧侶や寺族はいる。
多くの人に知られなくても、お寺に足を運べる範囲の地域の方や檀信徒のためになればそれでいい。という欲のない潔さを感じ、そのあり方に深く共感し、尊敬する。
中にはやはり信じられないような考えを持っていたり、目を疑う行動を取られる僧侶もいるけれど、前述したような僧侶の存在のおかげで腐らずに私たちの信じるところを形にするためにやっていける。
*
寺院において難しいのは善意だけでは寺院を運営し続けることが、困難な時代だということ。
道徳と経済のバランスをどう取るのか。
お寺の運営を真剣に考える人ほど悩ましい問題だと思う。
弱点を克服しようと突き進み、資本主義的な考えに身を委ね、道徳よりも経済が勝っているお寺になり、気がつけば檀信徒や地域に距離を取られているケースも。
やはり、道徳(もっというと宗教心)の上に成り立つ経済であるのがお寺の筋だろうとおもう。
その絶妙なバランスを取るお手伝いが私たちの本質的な価値だとつくづく思う。
*
冒頭のような活動をされている中で苦悩を抱えたお寺に出会うと本当にすごいと思うからこそ、商売度返しで手伝いたくなる。
だけど、それで赤字を出して会社が運営できなくなり、支援できなくなるほうが無責任だし、私自身が経営者でありながら道徳と経済のバランスに悩んでしまう。
だからこそ、やるからにはお寺の役に立ちたい、お寺や檀信徒と地域のために本当になることだけをして、胸を張って対価をいただきたい。
そんな思いで開発した檀信徒カルテの機能をもつクラウド管理寺務台帳の提供をきっかけにこれまで以上にお寺のご縁が増えた。
この9月は過去最高の問い合わせ数。
お手伝いしたお寺からも私たちに相談する前まで行き詰まっていたのが嘘のように悩みが解決でき、檀信徒に喜ばれている声が聞こえてくる。
嬉しいお声をいただく反面、いろいろと至らないところがあり、反省や凹むこともたくさんあるけれど、冒頭のような活動をされている僧侶とそのお寺の檀家さんが喜んでくださると本当に嬉しいし、次のお手伝いももっとよりよくしたいと思える。
*
そんな風に進んでいく私たちを理解して、共感して、応援してくださる葬送業界やクリエイターの声や支援にも支えられてる。
お寺を介して「イマココ」の自分たちの売上だけを積み上げようとする業者が増える中、大変だし地味だけど、確実にお寺の未来のためになることを共に考え、知恵や手を貸してくださる。
私たちも支えているつもりで支えられている。本当にありがたい。
途方もなく聞こえる理念に真剣に向き合ってくれる会社の仲間たちにももちろん感謝。
*
敬うこころを次世代につなぐためにも、お寺の課題発見と解決を支援したい。
そこをぶらさずに、1つ1つのご縁を大切に、次世代に繋ぐために思い悩むお寺様のお力になり、お寺の改善を通してより檀信徒、地域のためになることをしていたい。
たくさんのお寺とお会いしたり、お寺で檀信徒さんにお話する機会を多く得た月だったからかそんなことを思った9月末。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?