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Food / Beverageトレンド①
趣味の登山・キャンプでよくお世話になっているフリーズドライ食品。日本企業が開発した製品は味が美味しく、種類も豊富である。
登山・キャンプで改めてフードテックに触れる機会を得たので、AI技術を絡めた製品・サービスを提供する食品業界向けのスタートアップと、最新の食品業界のトレンドにちなんだスタートアップを紹介していく
*こちらの記事は貼付のURLの記事やウェブサイトを参考に作成しております
AI×食品廃棄物削減技術
AIが活躍できる分野として、仕事の効率化およびデータ分析が挙げられる。特に食品廃棄物削減は、AIと非常に相性が良いトピックであり、SDGsの取り組みの一環や、店舗ごとのコスト削減としても期待される。これまで人の感性や特定の経験則に基づいて行われていた業務に対し、定量的なアドバイスを提供するAIサービスは業務効率化に大きく寄与することが期待できる。一方で、天候による購買傾向の変動などのトレンドはAIで把握できる可能性があるが、過去のデータにないトレンドや新商品の売れ行きについては、AIの活用だけでは不十分な場合もある。こうした状況では、使用者の経験と合わせて活用することが必要になるだろう
エージェントのような役割を担うこのようなAIツールは今後も様々なスタートアップから開発されると考えられる。その中で、使いやすさ(実際の現場で活用できるAIツールか)、分析・予測の精度が差別化要因の一つになりうると考える
Afresh
概要
設立年:2017年
共同創業者:Founders Matt Schwartz, Nathan Fenner, Volodymyr Kuleshov
所在地:Oakland, CA
事業・サービス内容:AIを活用した生鮮食品の在庫管理・発注プラットフォームの提供
累計調達額:$147.8M
2022年にシリーズBで$115Mを調達
提供する製品・サービス
スマート補充
AIと機械学習アルゴリズムを活用して、在庫切れや過剰在庫の問題を解決
インベントリ管理
リアルタイムデータ追跡および分析ツールを活用して在庫を可視化
生産管理
生産計画の最適化する需要予測モデルの提供
店舗向けサービス
スタッフの業務効率化するモバイルアプリの提供
企業向けサービス
全社的な在庫管理を可能にするクラウドベースのデータ統合
効率的な供給チェーンの構築するサプライチェーン管理システムの提供
Shelf Engine
概要
設立年:2015年
共同創業者:Bede Jordan, Stefan Kalb
所在地:Seattle, WA
事業・サービス内容:スーパーマーケットや小売業者向けにAIを活用した生鮮食品の発注・在庫管理ソリューションを提供
累計調達額:$58.2M
2021年にシリーズBで$41Mを調達
提供する製品・サービス
AI駆動の発注システム
機械学習アルゴリズムと予測モデルを活用して過剰在庫や在庫切れのリスクを軽減
需要予測
商品ごとに毎日の需要を正確に予測し、在庫管理を最適化に向けた多変量時系列モデルと機械学習を使用した確率モデル
在庫管理の自動化
技術: リアルタイムデータの追跡と分析ツールにより、手動での在庫管理の手間を省き、労働コストを削減
レポートと分析
週次レポートと簡単なインターフェース
米国におけるノンアルコール市場
最近、米国では、レストランに行くとモクテル(ノンアルコールカクテル)やノンアルコールビールといったノンアルコール飲料を提供しているところをよく見かける。米国では2010年代後半にはそこまで見かけなかったため、急速に浸透しているのかもしれない。とあるアンケート調査結果*では、2024年には米国の41%が積極的にアルコール摂取を控えようとしていると報告されている(2023年から7%増加している)
2020年のCOVID-19パンデミックの頃からノンアルコールビールの人気が急上昇し始めたようで、、家庭で過ごす時間が増えたことによるアルコール消費を控える傾向の強まりや、若年層を中心とした健康志向の高まりがノンアルコール市場の拡大を加速させているようだ
下記に急成長しているノンアルコールビールスタートアップと、奇抜なデザインのパッケージで急成長している飲料スタートアップの2社を紹介する
Athletic Brewing
概要
設立年:2017年
共同創業者:Bill Shufelt, John Walker
所在地:Stratford, CT
事業・サービス内容:ノンアルコールのクラフトビール製造および販売
累計調達額:$286M
2022年にシリーズDで$75.5Mを調達
Athletic Brewingについて
完全発酵させたノンアルコールビールを製造する独自の醸造法を開発している
2018年には875樽の製造に留まっていたが、2023年には25万8,000樽以上を製造する全米トップ20のビール会社に成長
Athletic Brewingは米国のノンアルコールビール市場において、19%以上のシェアを占めている*
提供する製品・サービス
提供するノンアルコールビールの種類は、限定品も入れて17種類(2024年7月現在)
ノンアルコールビール以外にも5州類のスパークリングウォーターも販売(フレーバー水)している
![](https://assets.st-note.com/img/1721337306616-rmgy2upFII.png)
*アンケート調査結果
**Athletic Brewingの直近のセールス状況
Liquid Death
概要
設立年:2017年
共同創業者:Jon-Ryan Riggins, Mike Cessario
所在地:Santa Monica, CA
事業・サービス内容:ノンアルコール飲料の販売
累計調達額:$267.6M
2022年にシリーズDで$70Mを調達
Liquid Deathについて
ファウンダーが音楽フェスティバルで「ロックバンドがカッコよく飲める水はないか」というところから着想を得た*
製品の特長は味ではなく、缶のデザイン。中身は水などの飲料水だが、ドクロの絵が描かれたデザインで販売されることで、お酒を飲む場所でもカッコよく飲める飲料として人気を博している
環境汚染問題にも積極的に取り組んでおり、ペットボトルよりも再生可能な素材が多いアルミ缶で製品を販売。非営利の環境保護団体と提携し、海岸清掃や気候変動への取り組みも支援している*
2023年には世界で$263Mの売上を記録した。現在では米国と英国の113,000の小売店で販売されている**
提供する製品・サービス
提供する水またはその他飲料(紅茶、緑茶、フレーバー水など)の種類は19種類(12 oz(約350 mL)、19.2 oz(約567 mL)やフレーバー水用の粉末を含む、2024年7月現在)
![](https://assets.st-note.com/img/1721340173404-Zhnqhko0GW.png?width=1200)
*Liquid Deathのブランドストーリー
**飲料水が$1Bビジネスへ
所感
AI×フードテックの中で今回は、食品廃棄物削減技術について紹介した。AIの技術が進化してきた中で、データが蓄積すればするほど、より精度の高い在庫管理予測ができることは小売店にとっても有益であると考える。様々なデータが蓄積されることで、様々なケースに対応した在庫管理が可能となり、人が発注を行っていた時よりもイレギュラーなシーンにも対応できるようになることが期待される
ノンアルコール飲料のトレンドは米国でも急速に広がっていると感じる。健康に関する有益な情報が誰にでもすぐに手に入るようになったことに加え、医療費が高騰していることもノンアルコール飲料が人気になっている要因の一つかもしれない
Liquid Deathはコンサートやイベント会場で販売され、マーケティング(主にパッケージデザイン)手法が上手くはまり、認知度が向上、そして多くの小売店で販売されるようになった
Liquid Deathの成長は、消費者向けの製品はマーケティングが改めて重要であると考えさせられるケースであった。また、環境問題に取り組んでいることも、現代の消費者の購買意欲を掻き立てている一つかもしれない
もちろん、ノンアルコールビールも含めてマーケティング手法だけでは消費者は離れてしまうだろう。味、価格、種類など消費者に飽きさせないための製品開発が重要になると考える
日本のノンアルコールビールは、2000年代半ばから後半にかけて販売されており、米国に比べると10年以上も先駆けて販売されている。味やパッケージについては、国の文化や趣味嗜好性があるため、一概にどのような日本の製品でも売れるわけではないと思うが、日本のノンアルコールビールも米国で売上を上げるチャンスは十分にあると思う。日本のノンアルコールビールを米国現地で見る機会は少ないが、市場が変化している今、日本のビールメーカーの米国進出にもチャンスが大いにあると思うので期待したい
Athletic Brewingのノンアルコールビールはネットで購入することができたので、また紹介する予定