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人は感情の生き物、感情と向き合うが大事

 ポジティブな感情は前向きな思考を生み、主体的な行動に繋がる。ネガティブな感情は後ろ向きな思考を生み、不本意な行動にも繋がりかねない。だからこそ、私たちは、お互いがポジティブでいるために関係の質を高めることが重要です。


人間は感情の生き物

 どんなに正論であったとしても、嫌なものは嫌だと感じてしまう経験を誰しもしたことがあると思います。ビジネスの成果や、それに至る行動の背景には、ポジティブな思考、そのための感情が必要になります。まさにメンタルや思考をコントロールすることが重要です。

いきもの脳とにんげん脳

 私たちの脳は五感で受け取る刺激を大脳辺縁系にある扁桃体に届けます。そこで情動的な反応が起こり、その後に大脳新皮質へと連携されることで思考が行われ、アウトプットとしての言動になります。

 ここでは、前者を「いきもの脳」と呼びたいと思います。いきもの脳は、先天的で、情動が沸き起こる傾向は個人によって異なり、大人になっても変わりにくいと言います。一方、後者を「にんげん脳」と呼びます。にんげん脳は、人生経験によって学習し、成長することによって変わっていくことができます。私たちは、これら「いきもの脳」と「にんげん脳」が合わさって、周囲にその人となりとして映っているわけです。

 例えば、初対面の人にネガティブな感情を抱いても、そのまま顔に出しては失礼なので愛想笑いで挨拶するようなことは、容易にイメージできます。いきもの脳においてはネガティブな情動が沸き起こっているのだけれども、にんげん脳が社交的に振る舞うべきシチュエーションだと思考し、表情をコントロールして、相手には常識ある人物として映るよう振る舞っているという風です。


ネガティブな感情を越えて、想像的な思考を働かせる

 更に、私たちの感情はネガティブに反応しがちだと言います。これは太古の昔、非力だった人間の祖先が生き延びるために必要だった性質の名残です。自然の中で肉食獣と遭遇した場合、勝てる見込みが少ないため、すぐに逃走できるよう反応する必要がありました。予期せぬ事態に危機感を覚えるよう、人間の脳は予めプログラミングされているのです。これはネガティビティバイアスと言われています。

 一方で、人間は想像力によって価値観や物語を共有し、集団で生活することによって、非力でありながらも、ここまで繁栄することができました。こうした人間の進化の過程がいきもの脳やにんげん脳に刻まれています。

 無防備な状態では、ネガティブに反応しがな私たちの感情を、しっかりケアして、人の発展の根源たる建設的な思考を働かせていく。そうした関わりを意識的に行っていくことが重要です。
 ビジネスの現場においても、初めてチャレンジするような仕事や、経験のない業務に対してネガティブな感情を持ってしまうことは当然のこと。ここを乗り越えていくための心理的安全性を担保し、チームワークの土台となる思想やビジョンを共有することで、発展的な思考が生かされていくよう導いていくマネジメントを心がけたいです。


後輩 竜野が思うこと

私はビビりの自覚があります。経験を積み重ねて、少しずつ、初めて向き合う要素を減らすことで、ビビりながらも前進してきたつもりです。これは私なりに「いきもの脳」を飼いならし、「にんげん脳」で思考する努力をしてきたということだったんだなと思いました。

皆少なからずビビりと分かって、急に周囲の人に親近感が湧いてきました。メンバーがチャレンジをするようなシーンでは、「いきもの脳」でとっさにどんな反応をしていそうか観察して、効果的なフォローの仕方を試行錯誤しながら見つけていきたいと思います。


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